武器の次は防具なんだけど、防具の下に着用するインナーについては、龍鱗を砕いて粉末にして液状にして、アラクネの糸に染み込ませた物で作ってみた。このインナー、魔法防御はもちろんなんだけど、物理攻撃による貫通耐性も完璧。インナーだけでもかなりの防御力があるので、フルプレートアーマーのような重厚な防具ではなく、動きやすさを重視して拘りの軽装備を作ってみた。

　防具のデザインはミネバの意見を参考にして、【胸当てチェストプレート】【篭手ガントレット】【脛当て《グリーヴ》】【腰当てフォールズ】をアダマンタイトと龍鱗の合金で作成した。貫通対策だけでなく衝撃軽減の効果を付与したので、物理攻撃に対してはほぼ完璧かな。アダマンタイトを使っている時点で魔法浸透率が低いので、魔法防御もかなり高いから防具としては最高の逸品だね。

　さらに防具を装着する時に、身体にフィットするように【自動調整】の機能をつけて、1人でも楽に着脱できるようにしておいた。

　私の防具のデザインは白を基調して、身につけた時のボディラインに沿って朱色のラインが入っている。従者たちの防具は同じデザインなんだけど、黒を基調に朱色のラインという色違いにした。

　防具を作り終えひと段落ついたので、一休みしようかと思ったタイミングで、ミネバから声をかけられた。その表情は『ウキウキ』としてるのでいい報告なのかと思った。

「アリス様、防具の作成お疲れ様でした。英傑学園へ通うようになれば、学園主催のダンスパーティーがあるので、パーティー用のドレスが必要になります。他にもクラスメイトを屋敷に招いた時のルームドレスも必要になるので、それらのドレスを作りたいので、もう少しお時間をいただけますか？」

　学園なんて制服だけで良いと思っていたら、ダンスパーティーのドレスが必要になるんだね。クラスメイトを招くことは考えてなかったけど、別に制服のままで良いと思ったのに、貴族子女が相手だとそういうわけにはいかないみたいだった。

「OK、ドレスなんてよく判らないからさ、ミネバに一任するから適当に決めてくれる？」

「はい、お任せください」

　防具の次は、何種類かドレスを作ることになったんだけど、これは防具以上に大変な作業になってのだった……。

　従者たちとミネバだけでなく、メイドたちまで参加してきて、それぞれが趣向を凝らした物を提案するもんだから、なかなか意見がまとまらなかったの。

　そんな状況で結構な時間が経過したところで、筆頭従者であるゼシカの一言で全てが解決することになったの。

「どの意見も甲乙つけがたいわね。どのアイデアもアリス様に似合うと思うので、簡単に意見がまとまらないのは仕方ないわ。そこで、思い切って全ての衣装を作ろうと思うのだけど、どうかしら？」

「「大賛成！」」

　実にゼシカらしい意見で話がまとまった。パーティー用の格式の高いドレスから普段用のドレスまで、全てを合わせると100着を越える数の衣服を作ることになったの。これは流石に多過ぎると思ったので、もう少し減らせないかと思ったのだった……。