年が明けて、グリエル英傑学園へ入学する日が近づいてきた。
入学までの間は、ユーザニア市にあるダンジョン、嘆きの地下迷宮の攻略を続けた。最深部と言われている30階層の完全踏破を目指して、ダンジョン三昧の生活を続けていたの。
ゼシカたちと一緒に最深部を踏破したいので、20階層のボス部屋に何度も挑戦したの。最初の頃は全く歯が立たず、軽くはね返されていたけど、挑み続けるうち自力をつけてきて、ようやく3人での勝利が見えてきた。
「さぁ、今日の最後にボス部屋へいくよ。アナとリューネはゼシカの指示に従うんだよ」
「「かしこまりました」」
「私が
「「はい、姉様!」」
ゼシカは、ボス部屋に入る前に2人へ指示を出してから、扉を開けて部屋の中へ進んで戦闘態勢をとる。
「作戦開始! 長くは
「「はい、姉様!」」
戦闘開始と同時に、ゼシカは
『シュ、シュ、シュン!』
「ガゥ、ゴルァ!」
アナの的確な攻撃でキメラの動きが鈍くなると、ゼシカはその隙を見逃さず援護をする。
「そこっ!〚
『シュバッ!』
「グルァー!」
ゼシカの放った風槍が、キメラの右目に直撃すると、立ち上がって潰れた右目を前脚で押さえる。完全に無防備となった腹部が露わになると、アナはレイピアに火魔法を纏わせ、一気に距離をつめて魔法剣で腹部を切り裂く。
「姉様、ありがとう! 炎よ纏え〚
『ズバッ!』
「ゴルァーーーッ!」
炎を纏ったレイピアにより腹部を引き裂かれると、同時に炎で体内を焼かれ、キメラは仰向けに倒れるとそのまま消滅した。
「アナ、よくやりました!」
「姉様の援護があったからだよ!」
「私は引き続き
「はい!」
リューネは素早い動きのキメラを相手に、大きな大剣で互角に渡り合っていた。多少の傷は負っているけど、キメラも同様に傷を負っていたが、互いに決め手を欠いて膠着状態だった。
「リューネ、待たせたわね。私がキメラな注意を引くから、全力の一撃を打ち込むのよ!」
「うん、判った」
合流したアナが、キメラを上回るスピードで突いては離れて、リューネの意識を完全に忘れさせる。リューネは気づかれないようにキメラの横へ移動すると、狙い澄ましたタイミングで最高の一撃を放った。
「ぶった斬るんだからっ!」
『ズ、バシューッ!』
「ガブッ……」
リューネの大剣が首を捉えると、一気に切断されずにそのまま地面に叩きつけた。鈍い音と同時に首が『ブチリ』と体からちぎれるように離れると消滅したのだった。
「2人ともよくやったわ! あとは
「「はい!」」
ゼシカは
「私とアナで
「OK、任せて」
「アナ、いくよ!」
「はい!」
ゼシカの合図と同時に左右に分かれて、アナはレイピアでヒット&アウェイ、ゼシカは弓で上下へ交互に矢を射って、
「お待たせ! ぶっ飛んじゃえーっ!」
『ド、バァーーーン!』
「……」
リューネから放たれた砲撃が
(これなら、4人で先へ進めるね!)