嘆きの地下迷宮を踏破してからルミナスの森へと戻ると、
「アリス様、嘆きの地下迷宮の完全踏破おめでとうございます」
「「おめでとうございます」」
「ありがとう、30階層のボス部屋で現れたディアボロスが強すぎてさ、最後はズルをして倒しちゃったけど、次は真正面からぶっ飛ばすよ」
私が倒しきれなかった魔物と言うと、全員が驚きの表情を見せた。私の強さを身も持って知っている
「アリス様が倒せない魔物とは、いったいどのような魔物だったのですか?」
「えっとね、見た目は
「その魔物は赤黒い肌に、頭と肩から角が出ていませんでしたか?」
ガイアの言葉を聞いて、ディアボロスの姿を思い出してみると、言われた通りの容姿だったと思った。ただ、戦えば負けると思い、ディアボロスに話しかける余裕はなかった。
「うん、そんな感じの奴だったよ。ガイアはそいつを知ってるの?」
「はい、
アイツはそんなにヤバい奴だったのか……、本能に従って拒絶使って良かったよ。っていうか、拒絶って神話級の化物すら簡単に倒せるんだね。
「うん、私には〘拒絶〙があるからね。本能に従って手を出さなくて良かったよ。これがその時の魔石と宝箱だよ」
「「おぉ~!」」
超特大の魔石と宝箱を見せると歓声があがる。良いタイミングなので、25階層の宝箱と合わせてこの場で開けてみることにした。
(あれっ? 粉だったのに魔石に戻ってる?)
『アリス様、私が天才に指示を出して万物創成で元の状態へ戻しておきました』
『ありがとう!』
『いいえ、当然のことをしただけです』
なんと、
「みんなも宝箱に興味あるでしょ? せっかくだからここで開けちゃおうか!」
「「是非、お願いします」」
「OK、開けちゃうよ。オープン!」
2つの宝箱からは【光輪】【冷蔵庫】【直結式給水システムの設計図】【太陽光発電システムの設計図】【金塊】こんな感じの物だった。太陽光発電でさらに電気を確保できるので、各家庭に電気を供給できる目処はたったかな? 給水システムがあれば、各家庭に水を届けることも可能になるので、ルミナスの森での生活環境が一気に良くなりそうだね。金塊は調べなくても判るので、最後に残った光輪を鑑定して調べてみる。
【光輪】4枚組の光の輪で、使用者の思うままに扱うことができる。攻撃と防御とも優れた神話級のアイテム。
ちょっと、見ただけでは判らないから、光輪使ってみることにする。
軽く光輪に触れてみると、光り輝いて私の左腕にブレスレットのように装着てきた。次に左腕を前に向けて目の前に4つのリングを四方向に展開して、防御壁をイメージすると光の壁が現れた。
「なるほど、私のイメージした通りに動いてくれるんだね。攻撃する時は刃で斬り刻むイメージでもすればいいかな? えいっ!」
『シュパンッ!』
私は1本の大木に向かって光輪を放って、四方向から同時に斬るイメージをすると、一瞬で大木が輪切りになった。
「これは凄く使い勝手が良いね。もっと色々な使い方ができそうだから、ダンジョンの魔物で試してみるよ」
私が光輪を自在に扱ってると、フランシスコは胸元に両手を合わせながら、みんなの方へ体を向けていた。このパターンはかなりヤバイ気がする……
「光輪を自在に扱われるアリス様の神々しさ、ルミナス神アリス様!」
「「ルミナス神アリス様!」」
その場にいた全員が私に対して跪いて祈り始めたのだった……