入学式が始まり理事長のありがたい話が始まると、早く終われば良いのにと思いながらも、真面目に話を聞くいておく。
「みなさん、入学おめでとう。最難関といわれる入学試験を見事に合格し、この場にみなさんは精鋭中の精鋭です。我がグリエル英傑学園は実力至上主義を掲げています。力なき者は進級すらできずに、1年で学園を去ることになるでしょう。己の力を示して卒業という栄光を掴み取って欲しい。グリエル英傑学園理事長 ハグリッド.デュ.グリエル」
『『パチパチパチ!』』
実力至上主義とか言いながらも、首席合格者である私を、新入生代表という務めから除外したじゃない。とか文句言ってやりたと思ってると、本来なら私が上がるはずだった壇上に、1人の男子が上がっていく。
「新入生総代! リオネル.デュ.グリエル第一王子殿下」
「はい!」
あっ、私のことを睨んでたヤツじゃない! あれが新入生総代なんだね。見ただけでプライドの塊みたいな雰囲気をしてるけど、どんな話しをしてくれるのかな? ちょっとイタズラでもしちゃおうかな? なんて思った。
「我はグリエル王国第一王子のリオネルだ。この世で最も高貴なる存在の1人である。そして新入生総代を務める我こそが、グリエル英傑学園を数多の卒業の中でも、史上最高の傑物となるのだ。新入生全員に告げる我の……」
と言った辺りでイタズラを開始する。私はエルメス様の加護『麗美之極』をMAX状態にする。おそらく誰もが見惚れる美しさのはずなので、壇上のリオネルに向かって最高の笑顔で微笑んだの。
『ニコッ』
「!?」
私と目が合った瞬間、リオネルは私の美しさに心を奪われ固まってしまった。
『ザワザワ……』
突然リオネルが黙ってしまったので、会場がザワつき始めたので、私は『麗美之極』をOFFにしてノーマルのアリスに戻るが、まだ壇上で固まったままだった。
(お〜い、リオネル君! 壇上で惚けてないで早く現実に戻っておいで〜、会場がザワついてるよ〜!)
なんて心の中で笑いながら思っていると、隣に座っていたゼシカたちも私に見惚れていたようで、頬を『ツンツン』すると我に返った。少し遅れてリオネルも我に返ったようで、首を『ブンブン』と横に振ってから、真っ赤な顔をしながら残りの言葉を語り始めたの。
「わっ、我は……。と、とにかく、全ての新入生たちよ我にひれ伏すのだ!」
大事なところで固まったために、盛大な拍手が沸き起こることはなく、悔しそうな表情をしながら壇上から降りたのだった。
「新入生総代のリオネル殿下、ありがとうございました。これにて入学式を終了します。明日から授業を開始となりますので、自分の教室へ登校するように」
「「はい」」
無事に入学式が終わったので、私たちは会場を後にして屋敷へ帰ることにしたのだった。
リオネルの見せ場を潰して、赤っ恥をかかせることができた。ああいうプライドの塊は、早く鼻っ柱を折ってやるのが一番だからね!