金髪に透き通るような青い瞳をした『The王子様』といった感じのイケメン王子ことアルフォンスが私に話しかけてきた。

「登校初日から大変だったね」

「そうだね。まぁ、平民だから仕方ないのかな？　一応はお礼を言っておかないとだね。助けてくれてありがとう！」

「ううん、困った女性を助けるのは当然のことだよ。しかし、グリエル王国の貴族連中ときたら、リオネルを筆頭に馬鹿ばかりなんだね」

「貴族って全部あんな感じたと思ってたけど、アルフォンス様の国は違うの？」

　一応は第二王子と聞いたので、失礼のないように『様』をつけて話をすると、軽く笑いながら返事をしてきた。

「クラスメイトなんだから『様』は不要だよ。全く違うとは言い切れないかな？　グリエル王国よりはましな方だと思うよ。ただ、貴族は特別な存在だと言ってる輩が多いけど、僕は特別だとは思っていないんだよね」

「えっと、一応アルフォンスって王族なんだよね？　そんなことを言っても大丈夫なの？」

　貴族よりもさらに上の階級になる王族が、そんなことを言っても大丈夫なの？　と思ったのでそのまま言葉を返すと、アルフォンスは『あっ』という表情をしながら答えてくれた。

「あははっ、確かにそうだね。でも、このグリエル英傑学園は全てにおいて平等な場所だからさ、王族だとか貴族だとかを気にせずに発言しても良いんじゃないかな？　さぁ、そろそろ教室へ行かないと授業に遅れるよ」

「そうだね。行き成り遅刻は不味いよね！」

　テンプレイベントを終えて、私達は教室へと急ぎ足で向かったのだった。

§アルフォンス視点§

　今日から授業が始まるので、正門から教室へと向かっていると、朝から騒ぎが起こっているようだ。

　僕は留学生なので、あまり騒ぎに関わりたくないところだったけど、絡まれているのはクラスメイトだった。しかも入学試験の首席合格者のアリスたちで、平民が入学すること自体が奇跡と言われるなか、首席合格なんてすれば貴族連中の目の敵にされるのは仕方ないかな？

　本来なら放っておくところだけど、初めて見る黒髪に金色の瞳をした絶世の美少女が絡まれてるのだから、見過ごすことはできないので助けに入る。

「グリエル英傑学園内では全てに平等だと聞いてるが、グリエル王国の貴族令息たちは、学園の場で親の権威をかざすか？」

「お前、誰に向かって言っるのだ！」

「さぁ？　目の前で騒いでいる小者にかな？　僕はヴァカルディア王国第二王子のアルフォンス.ヴァカルディアだ」

「なっ……、し、失礼致しました……」

　絡んでいた男達は、僕の名前を出すと逃げるように去って行った。

　そのあと少しアリスと会話をしたが、王族に取り入ろうとするようや素振りは一切見せなかった。そして、アリスの美しい笑顔に見惚れ魅入られたのだった。