目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第36話 Sクラスの十傑①

 私と従者たちの自己紹介が終わったあとは、残りのクラスメイトたちの自己紹介となる。私は平民出身なので!王侯貴族については全くの無知なの。そんな訳だからクラスメイトの中で知っているのは、入学式でイタズラをしたリオネルと、先輩から絡まれた時に助けてくれたアルフォンスの2人だけだ。今回の自己紹介は他のクラスメイトを知るいい機会になるね。


「次は五席のマルクセス.テイタニア!」


「はい、テイタニア帝国第一皇子のマルクセス.テイタニアです。僕はこのグリエル英傑学園で世界最高クラスの武術と魔術を学び、卒業するまでの間に、アリスから首席の座を奪うことを目指します」


 自己紹介の最後に、金髪に赤い瞳をしたイケメン顔を私へ向けると、私から首席の座を奪うと宣戦布告をしてきた。首席なんか全く興味はないので『どうぞどうぞ』と思っていると、ゼシカが周りにに聞こえるような声で、マルクセスに忠告をした。


「ふっ、身のほど知らずボンボンですね。私が厳しい現実を思い知らせてあげましょうか?」

「おい、ゼシカ! 自己紹介の場でクラスメイトに絡むな。マルクセス、これから卒業までの間に、序列決定戦は頻繁に行われるから常に努力を怠るなよ。このグリエル英傑学園は実力至上主義だからな! 首席の座が欲しければ己の力で掴み取れ。次は六席のアルフォンス.ヴァカルディア!」


「はい、ヴァカルディア王国第二王子のアルフォンス.ヴァカルディアです。武術は剣と槍を少し嗜んでるのと、魔術は火土風の3属性を扱うことができます。せっかくの学園生活なのでクラスメイトとの親交を深めたいです」


 アルフォンス君も自己紹介の最後に、私の方へ顔を向けてから『パチッ』とウインクをしてきたので、笑顔を見せながら軽く頷いておいくと、ゼシカは私たちにだけ聞こえるような小さな声で呟いた。


「アリス様に対して色目を使うとは……、後でシメる必要があるようですね」


 過激な言葉を口にするゼシカに、リューネはアルフォンスのことを睨みながら応える。


「姉様、私がシメに行こうか?」

「リューネ? シメなくて良いからね?」


 物騒なことを言うもんだから、とりあえず勝手な行動をしないように止めておいた。


「なにやら物騒な言葉が聞こえたような気がしたが……、次は七席のセイレーン.テイタニア!」


「はい、テイタニア帝国第三皇女セイレーン.テイタニアですわ。テイタニアと聞いて判るかと思いますが、マルクセスの双子の妹ですの。風魔法と相性が良い扇を嗜んでます。限りある学園生活を存分に楽しみたいと思ってますので、みなさん仲良くしてください!」


 双子だけあって、マスクセス君と同じ色の髪と瞳をしていたけど、私に対して何もアクションはなかったのは同性だったからかな?


「テイタニア帝国の者なのに、最強を口にしないのは双子の兄が居るからなのか? 次は八席のデッカード.アルカディア!」


「ヘイ、アルカディア王国第二王子デッカード.アルカディアだ。俺は英雄となって、俺という存在を世に知らしめるんだ。手始めにグリエル英傑学園で伝説となる。斧と槍なら俺に並ぶ者は居ないはずだ! そして俺の使う爆炎魔法は、全ての物を焼き尽くす! アリスの首席の座は必ず俺が手にしてみせる」


 金髪に青い瞳をしたデッカードも、私の方に顔向けて首席の座を手にするとか言ってきたのだった。


 私って絡まれ体質だったのかしら?


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?