魔力が6,000Pで宮廷魔導師クラスと言ってたのに、ウィンディ先生の魔力147,000Pって、桁があまりにも違いすぎる。この先生からは学ぶべきことがたくさんあるだろうと、さらに期待が高まり『ワクワク』が止まらない。
序列の下位こら順番に魔力測定が始まると、いよいよ十傑に順番が回ってきた。ちなみに十傑以外の生徒からは、2,000Pに届く者は現れることはなかった。まだまだ十代の伸び盛りだから、卒業すまでには魔力が上がるのだろうね。
「次はマリアンヌね」
「はい」
マリアンヌは席を立つと、教壇に置かれた魔力測定機に触れると『パッ』と軽く光った。
「おぉ、魔力は 3,000Pだね。流石は十傑と言ったところかな? 将来は宮廷魔導師団を目指せそうね」
「はい、卒業後は宮廷魔導師団を目指したいと思っています」
「そう、目標があるのは良いことだから、目標に向かって頑張るといいよ。次はリオネル!」
「おう」
自信満々に教壇へ向かって行くと、軽く触れるだけで測定できるのに、力みながら魔力測定機に手を乗せた。気合を入れれば魔力が上昇すると思ってるのかな? うん、リオネルって本当に馬鹿なんだと思う。
「2,300Pか、ショボい魔法しか使えない割には、魔力だけは一丁前なんだね」
「そうだろう! 我は凄いのだ」
先生は褒めていないのに、何故か自慢気に『凄い』とか言うリオネルは、馬鹿を測定することができれば、間違いなくブッチギリの世界一なんだろうね。
「次は俺の番だ」
続いてデッカードが意気揚々と教壇にあがっていくと、リオネルと同様に気合を入れて魔力測定機に触れる。脳筋系はみんな同じような行動をとるのだと理解した。
「
「そのためにここへ来たんだ。英雄になるためなら何だってやってやるよ!」
ウィンディ先生の魔力は、英雄の軽く3倍以上って……、宮廷魔導師団に入ってなければ、英雄になっていたってことなのかな? 続いてセイレーンが壇上にあがっていく。
「セイレーンは3,900P。帝国の才女と呼ばれるだけのことはあるね」
「先生に才女と言われると、嫌味に聞こえてしまいます」
涼しい顔で答えるセイレーン、そんな彼女をマリアンヌは悔しそうな表情で見つめていた。同性としては負けたくないと思ってるのかな? 互いに切磋琢磨すれば、相乗効果を期待できそうだと思った。
そして、アルフォンスが壇上にあがると、脳筋馬鹿の2人とは違って、魔力測定機に軽く触れると他の生徒とは違い、強い光を放ったのだった。
「おぉ! 8,500Pとは本当に凄いよ。流石は神童と言われてるだけのことはあるね」
「六席なのに神童と言われても……」
ここまでブッチ切りの魔力量を叩き出したアルフォンスは、神童と呼ばれるのが恥ずかしいみたい。私なんて従者たちやルミナスの森の住民たちから、神のように崇められてる。実際に現人神だから仕方ないけど、神童なんて可愛いものだと思ってしまう。
最後はマルクセス、本来なら首席になってる天才君が魔力測定機に触れる。アルフォンス君程ではないけど強めの光を放ったけど、本人はかなり不満な様子だった。
「マルクセスは6,600Pだね。例年なら確実にトップなんだけど、今年は運が悪かったね」
「魔力量だけで優劣はつきませんから、文武魔の全てが揃ってこそです」
運が悪かったと言われたけど、即座に返事をしたえとにアルフォンスの方を『チラッ』と見る。完全にライバル視してるんだね。
視線を向けられたことに気付いたアルフォンスが、マルクセスに軽く笑みを浮かべながら話しかける。
「あぁ、そうだね。君は武術も秀でてるから、多少の魔力差ならひっくり返せるかもね」
「ちっ」
大人の対応をするアルフォンスに、マルクセスは『イラッ』とした様子だった。沈着冷静なイメージを持っていたので、意外と熱い一面があるのだと知ることができた。
これで私たち以外の魔力測定が終わった。
このあとの魔力測定で、ウィンディ先生を含めてクラスメイト全員が、驚愕することになるとは思ってもいなかった。