この世界とサツキさん達との関わりを聞き終えた。ハッキリ言えばこの世界は糞だと思った。そして私なりの答えが出たのでサツキたちに返事をする。
「そんなことがあったんですね……」
『うん』
「私、ジャミアを倒します」
『うん』
「神ってもっと崇高なのかと思ったけど、結構自分勝手なものだと判ったので、私も我儘を押し通そうと思っちゃいました」
『うん、それで良いと思うよ。私は未来に抗えずに終わってしまったけど、アリスさんなら未来を切り開くことができるはずだからね。応援してるよ』
「はい、サツキさんたちの分もこの世界を満喫しちゃうので、どうか最後まで見届けてくださいね」
『うん、あなたの世界を楽しみにしてるね』
「じゃあ、『サクッ』と戻ってジャミアを倒して、全てを終わらせてきますね! 私は邪神ジャミアの呪魂を〚拒絶〛する」
私が拒絶を唱えると、真っ暗闇で何も見えなかった世界に光が差してきた。光の元へ目を向けると、表情こそ逆光で見えないけど、ローズブロンドの髪をした3人が私に向かって手を振っている。手を振り返しながらサツキたちにもう一度声を掛ける。
「必ず、必ずジャミアを倒します。そして、楽しいと思える人生を満喫してみせます!」
私の言葉を聞いた3人の表情は見えなかったけど、きっと笑顔だったのだろうと思ったの。
§フランシスコ視点§
アリス様がルミナスの森に戻られた。
イリスから聞いた通り意識はなく、我々の呼びかけに反応することはなかった。七神女神の愛し子であるアリス様をここまで追い込む邪神の呪魂とは? 七神女神の加護を打ち負かす邪神ジャミアとは? この世界における神の存在は、七神女神様以外の存在を知らなかった。現状を考えると七神女神様を頼るしかないと思い、ユーザニア市にあるユーザニア大聖堂を目指すことにした。
ユーザニア大聖堂に着くが、変わらずアリス様の意識は戻らぬままで、七神女神像が並び立つ祭壇へと足を運んで祈りを捧げる。
「貴方方の愛し子であるアリス様を、邪神の呪魂からお救いください」
「「お救いください」」
私の信じる神はルミナス神アリス様だが、藁にも縋る思いで七神女神様へ祈りを捧げると、ミネバたちも続いて祈りを捧げた。
『あなた達の祈りは届きましたが、私たちではその願いを叶えることはできません。何故なら、邪神ジャミアは七神女神を創りし元唯一神にして全能の神だったからです』
我々の祈りは届き、七神女神様たちから邪神ジャミアの力は七神女神の力を超越した存在で、呪魂を払い除けることはできないと天啓を受けたのだった……