「何でロランの魔力が急に上がってるんだ!?」
僕は第二王子、アデル・レット・ハーキムだ。
今僕の気分は最悪だ。
まさかあの怠惰な王子ロランに、魔力量5000もあるだなんて夢にも思わなかったからだ。
それにあの目……まるで僕を見下すような目をしていた、それが何よりも腹立たしい。
そして何より、ロランの横に僕のヒロインであるリア、クレハがいたことだ。
なぜロランと一緒にいるんだ!?
原作で、あの2人はロランに全く興味を持っていなかったのに!
本来クレハは僕の専属メイドに、リアは僕を応援してくれるポジションの筈だった。
それなのに、どうしてこうなったんだ?
クレハとは学園でいじめらている所を僕が助けたのがきっかけで、仲良くなり専属メイドに。
リアは元から僕に興味を抱いてくれていたから、応援してくれるポジションになる筈だ。
なのにあの3人が仲良くなっているとは何事なんだ。
しかもロランに至っては魔力量5000、魔術師クラスだ。
これは非常に不味い状況だ。
このまま行くと原作が狂ってしまう。
「くそ、前に刺客をロランに送ったのに、通りで死ななかったわけだ」
まさか刺客の襲撃もロランによって回避されていたなんて思わなかった。
ロランに魔力数が5000もあるなんて誰が予想できようか。
「まさか、ロランも転生者なのか?」
本来のロランは性格が最悪で、主人公とヒロインの仲を邪魔する悪役だ。
だが今のロランは、明らかに性格が変わっている。
「こんなの許されるわけがない」
他の奴らが僕の物語に入ってくるなんて、絶対に許さない。
「なんとかしてロランを僕の物語から排除しないと」
僕はそう決意し、ロランを排除するための計画を練り始めるのだった。
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