強烈なゾンビビスエキスにより、学園は阿鼻叫喚の地獄と化してしまったのであーーった!!
そこかしこにエロティック・グロ・性欲モンスターが這いずり回る!!
エロティック・グロ・性欲モンスターがなにかと言えば、それは説明するまでもなく、中学2年生男子の夏休み以降のことだ!!
中学2年生の夏休み以降とはなにか!?
それは思春期に入り、下の毛も生え始め、修学旅行で皆と入る大浴場で、「恥ずかしくてイヤだなぁ」なんて考えていた中1の頃の初々しさは消え、ちょっと覚えたての性的単語の連呼だけで大興奮し、真面目に図書室に行ったかと思えば、読むのは保健体育系の本、もしくは大辞典の性的単語を調べてはマーカーで塗りたくり、朝起きてから夜寝るまで、そして寝ている間もエロエロな妄想に耽り果て、エロ本コーナーのある古本屋を聖(性)域と呼んではばからぬ、寝ても覚めても女体の神秘にばかり全集中してしまうような、今流行のチェンソー男もビックリのスケベッティなMAMONOなのであーーる!!
スケベによるスケベのためのスケベイしか考えられなくなった哀れなる存在!
そして、そんなスケベッティはやっぱり感染する!
覚えているだろう! あの転校してきたばかりのウブな少年のことを!
なにも知らない彼を、連休となる週末に誘い出した悪ガキども(エロティック・グロ・性欲モンスター)!
秘密基地と称した、高架線の下の河川敷の小汚ねぇ小屋へと連れ込む!
そして、河川敷の草むらで見つけたエロ本を披露し、「親や先生にはチクるなよ」と、秘密を共有することで悪い友情を深め合い、鼻の下を伸ばして、みんなで読み耽ったあの秘密の日!
んでもって、週明けには少年は一皮剥けて、とんでもねぇスケベッティな変態となってしまっていたじゃあないか!
あれだけ親御さんは「悪い友達なんて作るんじゃないよ!」と警告してくれていたのに、もはや時は遅し!
そう! そんな風に、週末にスケベッティってのは、酷く伝播して拡散されていくのだ!
これで解って貰えただろう! 週末……もとい! “終末のスケベッティ”とは、まさにゾンビビスのことなのであーーる!!
そして、ゾンビビスの群れに囲まれたキジシロッティとコリッティはたくましくも生きながらえていた!!
なぜ生きながらえていたのか?
そりゃヤラれちゃったら物語がそこで終わりだからに決まっている!!
みんな大好きM16自動小銃を右肩に掛け、左手にはウージー短機関銃を持ち、どこぞの復讐軍人よろしく二挺持ちでぶっ放す!
「うおりゃあー!!!」
バラバラバラバラッ!!
ミリタリーマニアからすれば、雌雉ごときがそんな撃ち方するのはリアリティがないとかかんとかクレームが来そうだが、これはキジシロッティが実現させた世界であるがゆえに、そんな細かいことはどーでもいいのであーーる!!
「キジシロッティ様! 弾薬ですわ!!」
顔に耐熱ドーランを塗り、穴の空いたヘルメットを被ったコリッティが弾帯を手渡す!
補給している間にも、ゾンビビスたちは群がりーのなのだ! 童貞はしつこいのよ!!
そして童貞どもがなんで襲い掛かるのか!?
雌雉でも雌犬も、オニャノコならとりあえずオーケーだからだ!!
古い文献に、漁師はエイで✕✕✕したとか、馬とか犬とか猫とかで✕✕✕したとか、果ては愛車と✕✕✕したとか、まさに畜生な具合な男ども!
とどのつまり、繰り返すが、そんなスケベッティなMAMONOこそがゾンビビスなのであーーる!!
「コラーーッ!!」
血相を変えたゴッデムッティが空を飛んでやってくる!
「なによ! こっちは…!」
「アー」
ゴッデムッティに文句を言おうとしたキジシロッティに、ゾンビビスの1体の魔の手が迫った!
「チッ! 邪魔よ!」
ズガッシュ!
「ンガガッ!」
キジシロッティは、ゾンビビスと化した元父モロハラッティの頭にナタを振り下ろす!
肉親だからって関係ない!
血も涙もないのが畜生だ!!
「はー。返り血ウッザ! …見てわかんないの! 今ちょー忙しいんだけど!」
「なにが忙しいだ! イケメソ男子と結ばれんかったら世界は終わるんだぞ!」
「こんな状態でどうやって結ばれろって言うのよ! もうすでにゲームオーバーじゃないの!」
こんな会話をしている余裕はなかろうと思われるかもだが、そこはコリッティの適切なサポート……手榴弾投げ等のお陰で成り立っているのであーる!
爆風がヤベェーので、キジシロッティとゴッデムッティが大声をだしているわけではなく……まあ、実はそんなこと関係なく怒鳴りあっているわけなのであーる!
「ううむ! しかしてそんなことはないぞ!」
「なにがよ!」
「忘れたとは言わせん! 性ウマシカ学園の法則その④に『卒業式までに、校庭の柳の木の下で、白い着物の女を目撃すると永遠に結ばれるという伝説あり』っていうのがあっただろう!」
「そうだっけ?」
「さすが3歩歩けば忘れる鳥類だな! しかし、今はそんなことはどーでもいい! キジシロッティよ! ちょうど貴様が立っている場所こそが、なにを隠そう校庭にある柳の下なのだ!」
「な、なんですって!?」
そういや、バカにデッケー柳の木を背にして戦っていたのであーった!
なんともご都合主義である。
「でも、白い着物の女だなんて…」
「あ…。キジシロッティ様…」
「え? あ、アタシ?」
ゴッデムッティはコクリと頷く。
そう! なにを隠そう、いまキジシロッティは白装束だったのであーーる!!
手に銃を持っているのだからてっきり迷彩服だと思いこんでいた、安易な想像力しか持たぬ読者諸君には大いに反省してもらいたい!!
そう! 今話では、今の今までキジシロッティの服装は描写されていないではないか!!
決死の覚悟を持った超日本人ならば、丑の刻参り衣装!
白装束に、頭に2本のロウソクは常識中の常識なのであーーった!!
「でも、結ばれるって誰と!? 雄はアンタ以外、みんなゾンビビスになっちゃったのよ!?」
「確かに! それに俺は神故に恋人枠にはなれん!! あとは…」
ゴッデムッティの視線を感じ、コリッティは頬を紅く染める。
「雌犬よ?」
「その卑猥な感じはアリだ! スケベッティ的な感じがする!!」
ゴッデムッティは親指を立てる。
ぶっちゃけ面倒になったんじゃないかと、キジシロッティは疑った。
「最近は百合展開がもてはやされている! 『畜生転移』も時代の流れに乗らねばならん! それ故に認めよう! 心がイケメソならば、性別が雌でもイケメソで合体してもよい! スケベッティをしてもいい! そこに愛があればなんでもいい!!」
「ええーっ!?」
さて、キジシロッティとコリッティは無事にエチエチな展開になるのであろうか!?
気になる結果は、焦らしプレイのごとく次回につづくのであーったッ!!