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第37話 立川チョーチューのファンとユン その4

立川番長連合15名は、唖然とした・・・・・・。

目の前にいるのが、たった3人のチョンチュー生だったからだ(1人は顔がたんこぶだらけ)。


「「「ギャハハハハ!」」」


番長連合14名は、たった3人しかこない事に大笑い。

校内に男たちの笑い声が木霊した。


だが、1人だけ笑っていない男がいた。


(こいつら、負けるな・・・・・・)


「立川市立立川第四中学校」3年の柳元幸助は、笑みを浮かべずこの状況を冷静に分析していた。

柳元は、自分以外の14名が笑っている事に危機感を抱いた。

いつも大人数で攻めてくる朝鮮中学側が、たった3人でカチコミしてきたからだ。

それだけこいつらは腕っぷしに自信がある。

柳本は、ユンとファン2人の力を、番長グループの少し後ろで観察・測定してそう判断した。



「なんだ、チョーチューの頭っていうからどんな奴かと思えば、意外とちいせえな」


三中の盛岡がユンに近づく。

盛岡の身長は、180cm。

高校生にも引けをとらないガタイである。

その森岡が、目と鼻の先までチョーチュー3人組に近づいた時、ユンが動いた。


バシィッ!


乾いた音が校庭に響いた。


ドシィン!


乾いた音がした直後、ユンに迫った盛岡が、クの字になりながら、大きな音を立てて仰向けに倒れた。

盛岡は仰向けのまま動かなかった。

ユンの盛岡の顎への上段突き一発で失神したのである。

まるでその光景は、大商大(大阪商業大学)応援団長と大阪朝高・リーソンウの鶴橋駅での決闘の再現のようだった。

その決闘については、また後日・・・・・・


「「「盛岡!」」」


番長グループは、慌てて大声をあげながら盛岡に近づこうとする。

だが、そこに割って入った男がいた。


「キダリョラ!(まてや!)」


チョーチューのナンバー2、ファン・シュウスケであった。


(き・・・きだりょ!?)


行き成り、自分たちと盛岡の間に入って朝鮮語か何かを叫んだファンに番長グループはあっけにとられた。

そんな心理状態の番長グループの内面を知ってか知らずか、ファンは続ける。


「俺たちはたった3人できた。一方お前たちは卑怯にも俺たちの仲間を拉致し、あげく数十人で待ち伏せとはちょっと卑怯すぎるんじゃねえか?」

「ぐっ・・・・・・」


14人を前にしても一歩も動じないファンの圧力と、盛岡が一発でのされたことで、番長グループは完全に腰が引けていた。


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