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高難易度への挑戦

ギルド周辺の空き地に転移してきた俺は、早速ノーフを確認してみることにした。

「クエスト……これよな」

びっくりマークがついたアイコンに触れると、さっきアミィと見た画面が出てくる。

報酬を受け取る、と書いてあるのでそこに触れればおそらくは受け取れるのだろうが、一括で受け取る、という項目もある。

びっくりマークが結構多いが、一括で受け取って大丈夫だろうか……。

「ええい! 俺は受け取るぞ!」

一括の方をタップする。

すると、目の前に大きな箱が現れた。

……でかい。

「いやまぁ……予想はしてたけどさ」

その箱は俺たちがすっぽり入るくらいの大きさなのだ。

「開けてみます? とりあえず開けてみます??」

シッポが好奇心を隠しきれてないくらい揺れてる。

「開けようか……」

俺はその箱を思い切って開けてみる。

眩い光とともにその箱は開いた。

「うおっ!」

その光が俺のノーフに吸い込まれていく。

そしてさらに光が失われた箱の底には様々なアイテムが置かれていた。

「何の光ですか?」

「ノーフに……+2000ニーディって書いてある」

「はぁ〜っ! これはまた大金ですねぇ!」

「それにこの箱の中にあるやつ……武器とか防具もあるっぽいよ」

「えっ! そうなんですか! じゃあ買う必要もないんですね!」

「最初から気づいとけばよかった……」

「まぁまぁ! これからです!」

あとはバンソウヨウやら魔ろやかな水やらっていう凡庸回復アイテムも入ってた。

こういうのも結局買ってなかったもんな……。

「これならもっとラクに踏破できるよなきっと!」

「じゃあ早速探してみますか?」

「おうさ!」

俺はノーフを開きレーダーでダンジョンをサーチする。

「それにしても、どれがボスダンジョンなのか……」

難易度の高いものを選べばいいのだろうか……。

「じゃあこれ! これにしませんか!」

フィーナが選んだのは高難易度指定のついたダンジョンだった。

「え、マジ?」

「進むにはそういう決断も重要かと!」

「そうだよな……よし、ここからは少し距離もあるし、一旦ユーリに連絡して依頼の方もしてみる」

俺はノーフからユーリに連絡することにした。

『はいはーい! ユーリです! ご依頼でしょうか? お話し相手をお探しならこのまま切りますよ〜』

「あ、依頼。依頼だよ」

『は〜い! 依頼ですね! この間酒場で会ったマークさんですね? 今回は〜……高難易度ダンジョンの探索!』

「そうそう。手伝って欲しいんだ」

『わかりました! それじゃあちょっとあっちの都合もきいてみて……パーティの斡旋も行いますので! ダンジョン入口でお待ちくださ〜い!』

そう言うとユーリは通信を切った。

「この間の方ですよね? そっか、じゃあ今日は新しい人たちと一緒になるのかぁ……」

少し緊張したような面持ちでフィーナが胸を押さえる。

「大丈夫だろ。お前なんて特にコミュ力高いし」

「そんなことないですって〜」

ともかく知らない人とパーティになるってんなら第一印象が大事だ。

少し気を引き締めつつダンジョンを目指した。


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