俺たちがダンジョンにつく頃に、ユーリから連絡が来た。
『やっほー! ユーリちゃんだよ!』
明るいな……。
『さてさて、早速一緒に来てくれる人がご用意できましたのでね! 一緒に行きましょう!』
早いな……まぁ今から受注してこっちに向かうとなると結構かかるでしょ。
俺たちもようやくダンジョンに到着した。
……洞窟の前に人影があるが。
『あ、マークさん来ましたね。その人が今回のオトモです』
「はやくね!?」
『まぁまぁ。早いに越したことはありませんし』
それはそうだが……。
そこに立っていたのは俺と同じくらいの年齢の女の子だった。
身長も同じくらいだが姿勢が猫背なので低めにも見える。
「はじめまして〜マイマイだよぉ〜」
彼女は緩めに手を振りながら挨拶してきた。
「マイマイか。俺はマーク。よろしく」
「オレはフィーナです! よろしくお願いします!」
「今日はちょっと難しいダンジョンなんだって? 気合いいれてこーね」
胸元でガッツポーズを作ると俺たちを鼓舞した。
『この子はマイマイちゃん。遊び人で味方のチカラを増強させるのが得意で、自分で戦うこともできるよ!』
「結構優秀なんだな……」
「えへへ〜そうなんだよねぇ〜」
「マイマイちゃん! 後方でのサポートの方が得意なんですか?」
「どっちも大丈〜夫! マイマイにおまかせ!」
指でブイサインを作り胸を張る。
これは頼りになりそうだ。
「ところでぇ、マークさんたちはどういう旅をしているの?」
「俺は人間に戻るためにうんぬんかんぬん……」
「なるほどなるほど……」
「オレはご主人様のためにうんぬんかんぬん……」
「なるほどなるほど……」
アレっ!? なんかこの子といるとやたらと簡略化したくなっちゃう。
しかもそれが通じてんのか知らないけど納得されてるし。
「じゃあ今回はボスダンジョンだといいね」
マイマイはにぱりと笑いながらそう言う。
あ、これ通じてるわ。
「マイマイさん、もしかしてなんか能力使ってた?」
「マイマイはね、複雑なことより単純なことの方がわかりやすくていいと思うの」
「……う、うん」
「……」
それだけ……?
あっちの言い分は簡略化されてもわからないのか……。
「ま、まぁとりあえずダンジョン探索頑張りましょう!」
フィーナが無理やりに盛り上げた感じの声を上げる。
「お〜う」
この子もやる気はあるのかもしれないが、少し気の抜けた感じがある。
大丈夫だろうか……。