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第二部

存在

昼に太陽が照らす星の一帯は、

一つの世界でした。

夜に太陽がかげらす星の一帯は、

もう一つの世界でした。


ひたすらまわってきた星は、

一つの世界になっている裏で、

もう一つの世界になってきました。


一つの世界は、

造作ぞうさなくもう一つの世界へ、

もう一つの世界は、

造作なく一つの世界へと、

がまわるように

移り変わってきました。


例えばすべてが

それにしたがっているとします。


一つの存在は、

造作なくもう一つの存在へ、

もう一つの存在は、

造作なく一つの存在へと、

輪がまわるように

移り変わってきたのでしょう。


ひたすら生きてきた存在は、

一つの心の裏で、

もう一つの心になってきたのでしょう。


現実に存在する時間は、

一つの心だったのでしょう。

夢に存在する時間は、

もう一つの心だったのでしょう。


すべてを照らすことも

すべてを翳らすこともできない、

この世界に存在する限り続いていきます。

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