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【野球】サヨナラが取り消しになるパターン【ルール】

 ネオページ読者のなかに野球少年はどれくらいいるのだろうか?


 今の若い子たちは知らんと思うけどね、今からほんの20年くらい前までは毎日のように夕方から野球中継されてて、野球いうたら国民的スポーツくらいの認知度だったんですよ。


 今は多様性でいろんなスポーツ、選択肢があるね。わたしは幼少期からずぅっと野球少年だったけど、野球人口が増えてさみしいって気持ちはとくにないです。


 いろんな選択肢から自分の好きなスポーツやったほうがいいじゃんって。イヤイヤ野球されるのイヤじゃん? って感じ。だからいろんなスポーツ人口が増えてる現状は好ましいっちゃ好ましいです。


 とはいえ、日本は野球大国には違いねぇ。やったことなくても名前やかんたんなルールは知ってる人多いでしょ? ネオページユーザーもある程度知ってると思うので今回は野球の話にしようかなって思った。


 じゃあ題材はどうする? 王道的に「野球ってなんだ?」的な話してもあまりなぁって感じ。マイナーすぎてもアカンでしょ?


 じゃあどうすんべ――ある程度盛り上がり要素がありつつ意外なエピソードはないかな? って考えたとこひとつ見つけたので書いてみようと思ったの。


 注:これ野球現役の方は必ず知らなきゃいけない知識ですゼッタイに覚えてね






:屈強な男たちが固い肌色の棒を手で握りしめ力強く速く振り、白いものを柵より遠くに飛ばして点を入れるスポーツ:


 野球ってなに? つまりこんな感じです。まちがってないでしょ? 詳しくは『アンサイクロペディア』でググってみてね☆


 かんたんなルールはみなさんもご存知かと思います。攻撃する側と守備側に別れてボールを投げたり打ったり。それを9回続けて総合点を競うかんじ。


 野球用語に『サヨナラ』ってのがあります。9回の裏、後攻の攻撃中、先攻チームより得点が上回ったらそれ以上ゲームを続ける必要ないでしょ? え? まだ攻撃したいって?


 負け確なのにまだ守備しなきゃいけない守備チームの気持ちを考えてあげてよ(´・ω・`)


 スポーツは勝ち負けを競うので、まあ勝負がついた時点で終了なんです。ってことで、9回裏の攻撃中『勝利が確定した瞬間』をサヨナラと呼んでます。このゲーム、さようなら的な意味で。


 英語だと[ Walk-off ]なんて呼んだりする。負け確の守備陣が徒歩でトボトボ帰っていく姿から。


 いろいろあるけどこれがサヨナラの意味。


 タイトルではそれが取り消しになるパターンがあるんだよと書いた。はい、あるんです実は。


 野球って150年以上の歴史があるの。そのなかでいろーんな例外が起きたり選手たちのレベルアップで改定せなアカンくなったり、まあいろんなルールが増えてった。それは『公認野球規則』っていう公式ルールブックが書店で販売されてるのでそれをお買い求めいただければと思いますが、これけっこー分厚い。ただのルールブックなのに。


 そういった歴史のなかで『サヨナラが取り消しになるパターン』はいくつもあった。日本でもあった。高校球児の夢である甲子園ですら起こった。ってことで、今回は実際の例をとおしていろいろ書いていきたいと思います。






:日本航空 vs 帝京第三:


 2024年7月19日。山日YBS球場にて行われた山梨大会準々決勝でそれは起こりました。猛暑の中3時間13分の死闘だったようです。


 投手戦で両チームに"0"が並ぶ激しい戦い。最終回に帝京第三がやっとこさ先制するも日本航空がすぐさま反撃。同点に追いつきつつ2アウト満塁のチャンスになりました。


 満塁という緊張感のなか放たれたボール。まさにその初球でした――YouTubeにありますね。


:YouTubeチャンネル、J-tube:

ttps://youtu.be/waXarRMToWk


 打球はピッチャーの足元を抜けセンターへ。見事なセンター前ヒット。ボールを掴み呆然と歩くセンター。膝をつきうなだれるキャプテン。


 歓喜に湧く日本航空でしたがなにやら様子がおかしい。なぜかサヨナラ負けを喫した帝京第三のベンチが湧いている? ――どういうことだ? そして、二塁塁審はこう説明しました。


「ツーアウト満塁、センター前ヒットがありましたが、一塁走者は・・・・・二塁踏んでない・・・・・・・ので、二塁ランナーをフォースアウトで"アウト"とします」


 怒号飛び交う観客席。そんななか場内アナウンスで延長タイブレークが宣告され、球場には異様な雰囲気がたちこめていきました。


 ちなみに、映像中「ルールわかってんのかー!」みたいなヤジが飛んでましたが、ぶっちゃけこの声の主がルールわかってません。率直に書いちゃえばルールも知らず公共の場でこんな叫んじゃうこの人のほうが愚かでバカです。


 じゃ、詳しく書いていきましょう。初心者にわかりやすく書いていくので安心してね。






:わかりやすい解説:


 結論から書いちゃうと、これ実は『1塁ランナーが2塁ベースを踏んでなくて、守備がそれをアピールしてアウト => 得点なしでチェンジになった』です。


① 1塁ランナーが2塁ベースを踏んでない

② 守備側がそれを審判にアピールした

③ 1塁ランナーアウト => チェンジ


 審判は「2塁ランナー」言うてますが言い間違いです。そもそもヒットじゃなくて記録としては『センターゴロ』になるでしょう。まあ細かいことは置いといて解説してこーね!


 野球の基本的なルールはわかるでしょ? バッターが打って1塁へ走って、守備の人がそれより早くボールを1塁に送ったら「アウト!」になる。これを難しいことばで『フォース』なんて呼んだりします。


 バッターが打球を放ったら『1塁に進まなければならない義務』が生まれるんですよね。守備側はその義務を遂行される前に当該塁へボールを送り込めばランナーをアウトにできる。これは詰まってる状態・・・・・・・であればどこでも同じです。


 ランナー1塁でバッターが打てば、バッターと1塁ランナーが進まなければならない義務を背負います。逆にランナー1、3塁であれば3塁ランナーにその義務はありません。


 で、ここからが重要ポイント。実は『どっかしらが"フォース"の時、ランナーがホームベースを踏んでも"得点"にはならない』のだよ。


 たとえば2アウトランナー3塁、バッターが内野ゴロを打った時。たとえ3塁ランナーが1塁送球より早くホームベースを踏んでも得点にはなりません。これが肝心。


 日本航空、帝京第三の試合はどうだった? ――ランナー満塁でセンターにボールが転がってったね。ってことで全員がフォース・・・・・・・になってるね。


 ってことはランナーはどうしなきゃいけない?


 だれかがフォースアウトになったとき得点は認められる?


 はい、つまりそういうことです。


 1塁ランナーは、おそらく「やった! サヨナラだ!」と気が抜けてしまったのでしょう。そして3塁ランナーが得点・・したことに安心して、自分が義務を果たすことを忘れてしまったのでしょう。


 それは残念ですが、わたしが「すごい!」と思ったのはその次の守備側の行動です。






:アピールプレイ:


 守備側は『審判に1塁ランナーが2塁を踏んでないことをアピール』しました。これによって審判はアウトを宣告しました。これをサヨナラの絶望感のなか行えたのは素晴らしいです。いったいどういうことでしょう?


 基本、野球は審判のジャッジが絶対です。抗議する権利はだれも持ってません。ゲーム中見られるアレコレは『ルールの確認を行っている体』です。しかし、選手たちはルールで約束された権利をもってます。


 それがアピール。審判に「ねえ! あの人ルール違反してるよ!」と訴えアウトをもらう権利があります。


 よくあるパターンはタッチアップだね。野球少年少女ならだれでも知ってる基本中の基本。おそらく監督コーチからとりあえず「あのランナーベースを離れるのが早すぎたよ!」とアピールするよう指導されてる方も多いと思います。


 ほか「踏まなきゃいけないベースを無視してその先まで行っちゃったよ!」っていうアピールもあるね。踏み忘れ、ダメ、ゼッタイ。


 今回のパターンはどうでしょう? これはシンプルに「1塁ランナーが2塁を踏んでないよ!」ってことだね。審判にアピールする権利は、サヨナラの場合両者整列するまで残されているのでその期間内にやり遂げたということ。


 なんでアピールプレイなんてのがあるの? ふつーにアウトでいいじゃん? っていう疑問もあるでしょう。これに関して説明すると文字数がアカンことになるので割愛しますがとりあえず「そういうルールだから」ってことでひとつご理解いただければ幸い。


 審判は両チームに平等公平な立場なので、定められたルール以上の行動はとりません。一方に「あの子ベース踏み忘れてるよ」と教えることもしません。ただアピールがあるのを待つだけ。


 いったんは3塁ランナーが生還し、得点したかのように見えた流れ。しかし、守備側のアピールにより『実はフォースの状態でアウトになったランナーがいた』という事実が生まれた。


 ここで問題。だれかがフォースの状態になったとき得点は認められるでしょうか? ――ここまで読んだキミならわかるよね?


 ってことで、審判はアウトを宣告し、そのまま延長線に突入することになりました。






:野球の歴史150年で積み重なったルール:


 公認野球規則ってのがあります。野球の公式ルールであり、審判はこれを隅から隅まで読み込んでおります。


 もくじ、ルールから用語集まで250ページくらいあるの。もうちょっとした辞書よ? それをぜーんぶ覚えてる審判まじそんけい♡


 プレイヤーはどうだろう? さぞかしルールを熟知してるんだろうなぁと思いきやそうでもない。わたしもそうだけど、野球を習う上でルール学習はほとんどしない。実践でとりあえず、なんとなく雰囲気で覚えていった感じ。


 だからヘタするとインフィールドフライや振り逃げのルールさえ知らない子もいる。大人になっても知らないままの方もいる。っていうかプロ野球選手でもそのヘン知らないひといるの草。


 ちなみに、上記はアピールプレイでアウトになったけどそうじゃないパターンもあったりする。たとえば2004年の春選抜、八幡商業 vs 常葉菊川の試合。YouTubeでその話題について解説してる方がいるようです。


:YouTubeチャンネル、かっちゃんの野球マニア倶楽部:

ttps://youtu.be/NzcNHy4ngG4


 野球少年少女はルールもしっかり覚えましょう。っていうか指導者さんがしっかり教えましょう。このまわり知っとかないといざという時うまいムーブできないからね。


 余談。わたしは個人的に、子どもに野球を教えていた時期がある。その時はわざわざ野球に関する本を購入して部に寄贈したりなんだったり、いろいろと自分にできる貢献をしてきたけど、学童、学生アマチュア野球はいろんな保護者さんからの支えがあって成り立つんだよね。


 それを思うと環境ってやっぱり大事だなぁと、保護者が野球の知識をしっかり身につけておくの大事だなぁと感じる。実際大人でもややこしいルールがたくさんあるのよ野球って。


 それを子どもたちに伝えなきゃいけない、理解させなきゃいけないってのもひと苦労だし、そういった指導を専門に扱う方々の創意工夫はとてもすばらしく、尊敬するところでもある。


 人はいろんな経験をして成長していく。そのなかには"ミス/失敗"とされるものも多いでしょう。


 それでいいんだよ、にんげんだもの。


 確かにそれは失敗ととれるでしょう。ミスととれるでしょう。けど、そうやってネガティブな方向性だけに注視してしまうと何の成長もできなくなってしまう。


 そういった反省点はありつつも、それを成長のための階段と認知して、ひとつひとつクリアしていく姿勢をもとう。こういった考え方、認知の違いだけで人は大きく変われるものです。


 キミは野球が好きかい? もし興味があるなら、近くのバッティングセンターで汗を流すも良いでしょう。草野球に参加してみるのも良いでしょう。


 最近はいろんなコミュニティがあって『草野球 キミの地名』で検索するといろんな情報をゲットできる。


 みんなで楽しもう? 身体を動かして健康的な毎日を送ろうぜ!

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