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"東方"シリーズが若い子に大人気らしい

 わたしはオッサンです。日光市で犬(黒ラブ)と同居してます。


 わたしが若いころ、オタクはまだ日陰者的なポジションでした。アンダーなグラウンドで、聖地といえば秋葉原。それが『涼宮ハルヒの憂鬱』とか『電車男』がきっかけでしょうか、なんかすっげー盛り上がってオタクが世間一般に浸透してって、まあ今に至るわけです。


 野球少年だったけどゲームも好きでした。アニメやオタク的なラノベもよく読んでました。大人の手前まできたとき、同人なる単語を学び、素人が自ら作品をつくり、それらを販売したり交流したりする文化があることを知りました。


 その当時から『東方Project』というワードは知られていて、っていうかめたくそメジャー。同人イベントがあれば必ず何かしらの作品があるし二次創作なんかも盛んで、シューティングゲームのなかでも『弾幕ゲー』と呼ばれるジャンルは当時の最前線でした。


 っていうのを思い出したんですよ。んで「そーいや今の東方はどんな感じなのかなー」って検索してみたんですよ。ほら、今って当時より同人活動のあれこれ・・・・があるじゃん?


 東方って当時からゆるーくやってたんですよ。んでオタクたちもある程度自粛してくれてるっていうか、まあ個人で楽しむとかそういう感覚でやってたので東方の名を勝手に使って金稼ぎしようとか好き勝手しちまえとか、そういう方々は比較的・・・少なかったように……思います。


 でも今の時代じゃん? だから、さすがに東方シリーズをつくってらっしゃる『上海アリス幻樂団:ZUN』さんらもいろんな制約を課してるかなぁ、みたいな軽い気持ちでね。


 そしたらビックリ。


 なんとまあ、今の東方ってわたしら世代より若い子、それも10代前半とか小学生に大人気なんですってね?


 オタクの親が教えてる? と思いきやそれだけでもなさそう。でもこれは創作界隈というかオタク界隈というかサブカル界隈にとって良い傾向だし"未来"を感じる話題じゃないか? ってことで、今回はわたしが個人的に学びつつ書いていこうと思います。






:小学生はどこで東方を知るの?:


 率直な疑問だよねこれ。わたしの世代はニコニコ動画が全盛期で、それこそいろんなオタクミームがニコ動から広がっていきました。ゲーム実況、生放送、現在ネットで使われるいろんな文字でさえニコ動発祥だったりします。


 2ちゃんねるの影響も大きいけどね。まあふたつでひとつみたいな扱いでもいいか。


 同人ゲームもたくさんアップされてたね。東方は超絶難易度で有名だったし、それに増して音楽も素晴らしいともっぱら評判。もちろん賑わいましたよ。


 だから、わたし世代はニコ動から東方を知った。アマチュアクリエイター系な方々はもともと同人界隈で活動しつつ、当時のインターネットはまだ一般的でなかったので、そういう活動はネットを使いつつ実際に人に会うとかそういう感じだったりして、そこで東方も着々と勢力を広めてった感じ。


 じゃあ今の子はどうだろう? ニコ動文化は廃れつつありネットにゃ東方以外にもたくさんの創作物がある。コミケでも全盛期ほどの勢いはない。まあそれでもデカいけど……ってことでリサーチしてみた。


 するとビックリあら仰天。わりと小学生でも触れるチャンスあるじゃん? ってのがわかってきた。


 まずは『うごくメモ帳』。サービス開始が2008年だからニコ動全盛期と被る。DSiでサービスされてて、今は3DSで見られるのかしら?


 タッチペンで"メモ"を書いてパラパラ漫画みたいに再生できるんだけど……まあパラパラ漫画にできますよって側面もあり、っていうかみんなソッチ方面で活用しはじめた感じ。


 録音機能もあるから"動画"としても使える。そこでニコ動でいうMAD系パラパラ漫画が作られてって、もちろん東方系動画もあるよねって話。


 DS系だから子どもも持ってるっていうか基本子どもが多いよね。そこで東方を知って、キャラのかわいさに惹かれて沼に嵌まっていく道。


 もうひとつはやっぱりというか『YouTube』だね。どこに東方に触れるキッカケがあるかというと――あの憎たらしいまんじゅうが該当します。


 ゆっくり。


 あやつら、解説動画じゃひっぱりだこよね。今はちょっちずんだもんも目立ってるけどやっぱり安心と信頼の「どうもこんにちは。ゆっくり霊夢だぜ」 → 「ゆっくり魔理沙だぜ」っていう流れ。


 ゆっくり解説中に東方のBGMも流れる。ゲーム実況者も自分の声を使わないときはだいたいゆっくりボイス。あれゆっくりじゃなくて『AquesTalk』っていう音声ソフトなんだけど、まあみんなゆっくりで覚えてるしゆっくりでいいんじゃね?


 で、ゆっくり関連のおすすめで東方系のミュージック動画に辿ったり、pixivなどで関連イラストに触れるようになって――沼。


 今は情報で溢れかえってる時代だからね、いちどそういうのにハマると加速度マッハでいろんな創作物に触れられる。東方はかわいさマシマシキャラが多いから小学生にもウケるし、なんだったらここからオタクではなくクリエイター関連に興味を持ち始める子もいるでしょう。


 東方シリーズに大きく寄与、というか制作者であるZUN氏は音楽を聴いてほしいという想いでゲーム制作してたそうな。わたし自身、原作ゲームの難易度にBGMを楽しむ余裕がなかった勢ですが、音楽が良いということで音ゲー関連には必ず搭載されている模様。音ゲープレイヤーな子どもたちにも人気なんだろうなぁ。


 音楽良し、浸透性バツグン、キャラもかわいいしコスプレ楽しめそうだし例大祭あるし、これもう最強じゃね?






:東方ってなんだ?:


 子どもに大人気だってのはわかった。ってことで、次はそんな子どもたちにオッサンが東方シリーズの歴史的なあれこれをざっくばらんに書いていこうと思う。


 まあでも、そういう歴史とか云々よりかわいくて楽しめりゃいいんじゃね? って気持ちもあるので難しい話はスルーしたいって方はここを読み飛ばさずこの際慣れてください。


 東方Projectとも呼ばれるゲーム群。第一作目は1996年発売の『東方霊異伝』でした。だいたい30年前だわね。


 この当時はシューティングではなく、いわゆる『ブロック崩し』と呼ばれるジャンル。自機(博麗霊夢)は左右にしか移動できず、球が画面下に行ってもアウトとはならず、まあ実際に見たほうが早いんじゃね?


:YouTubeチャンネル、GS GS:

ttps://youtu.be/QIJVyiB4aPY


 今とめっちゃ違うね。シューティングになったのは2作目の『東方封魔伝』から。すでに弾幕ゲー臭がする。そっからあと3作ほど出してたんだけど、制作者ZUN氏が就職やら何やらでいちど活動をやめて、2002年から今の『上海アリス幻樂団』を立ち上げ、Windows版初作『東方紅魔郷』を発売。そこから徐々に同人界隈に広がっていくことになります。


 こっからみなさまご存知の快進撃を繰り広げていくことになるわけですが――さすがにここの文字数じゃ紹介しきれんので公式サイトかWiki見たほうがいいかもしんないね。


:東方Project 25周年記念サイト:

ttps://touhou-x.jp/history/


 シリーズを通して活躍するキャラに『博麗霊夢』と『霧雨魔理沙』がいるね。ほかにも作品群初期から登場する『レミリア・スカーレット』、『フランドール・スカーレット』をはじめとした紅魔郷勢、『八雲藍』、『八雲紫』なども人気高いね。


 ほか、ZUN氏が手掛けたオリジナル楽曲のCD、他サークルとの合作もふんだんに登場。とくに『黄昏フロンティア』の格ゲーを見たことある方は多いでしょう。


 2000年代、そして2010年代と絶大なる人気を誇っていたのですが、まさか2020年代もバリバリ現役でいらっしゃるとは……子ども人気が大きいということは、つまりこのさき10年も戦えるということ。東方シリーズの未来は明るそうです。






:広く受け入れニッチでもない:


 広く認知されてるだけじゃ人気にはならんでしょう。東方が人気なのはなんでかね? ってのは実際のデータを見たりなんだったりしないとアカンでしょうが、まあここでいろいろ考えるだけなら無料だってことで書いてみよう。


 まずは間口の広さよね。なにか尖った作品ってわけでもなし、キャラが尖ってるわけでもなし、それでいてかわいいキャラがたくさん登場する。それでいて男性向けコンテンツのような性的さはない。


 かわいいっていうのはおんなの子から見てかわいい。これ大事。


 同人作品であり、ZUN氏が二次創作などそういったこと・・・・・・・に理解を示しており寛容な態度をとっているのも大きいでしょう。かといって商業関連にはきちんとした区切りを設けてるようなので、同人界隈との棲み分けもしっかりできているようです。


 そのおかげで膨大な数のコンテンツが、それも小学生などが触れやすいコンテンツとして存在できてる。たとえばゆっくりや同人作家たちの二次創作関連。もしかしたら、当時の東方厨がパパママになってることも要素かもしんない。


 東方のゲーム自体はシューティングかつ弾幕ゲーなので尖りに尖ってるけど、東方はゲームシリーズとしてではなくキャラクター性や音楽性で人気を博している。あと妖怪っていう子どもでもわりと身近な存在がモチーフになってるのも大きいのでしょう。


 いやーすっげーなぁ。はじめは学生のゲームプログラミング学習。そっから社会人になっていろんなストレス発散に熱を出した結果、今じゃ日本を賑わす一大コンテンツとなっておりますね。


 東方シリーズのみならず、日本にはたくさんの熱意あふれる同人作家がいらっしゃいます。わたしもこういった先人を見習って前進していきたいものです。


 作品の数だけ人の想いがある。アナタは同人作品を世に発表したことはありますか? それはゲームですか? ノベルですか? はたまた別のなにかですか?


 どんなものでも、それはアナタが生み出した大切な財産です。大切にしていきましょう。育てていきましょう。


 みんなで作品を愛していきましょう。たくさんの人の愛があって、はじめてその作品は花開くのですから。

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