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バッティングセンターで「こいつ、できる!」と思わせる方法

 日光市にはバッセンがない。


 いや、あったのだ。わたしが子どものころはふたつくらいあった。けどなくなった。跡地にはラーメン屋ができた。すぐ潰れた。そして今は廃材が山積みになってる。


 で、これを書いてるオッサンは子どものころから野球大好きっ子だった。今も好きだ。だからバッティングセンターに行きたい。けど日光市にはない。


 だから、たまーに宇都宮まで遠征に行く。けど、バッセンに行って帰ってくるだけじゃもったいないので、宇都宮の環状線にあるバッセンを2件くらいまわり、汗を流し、ついでにショッピングをしてから日光市に帰る。まあ、たまの楽しみってヤツよ。


 けどなぁ……日光市にできないかなぁバッセン。スタバもタリーズもデニーズもジョナサンもしゃぶ葉もサイゼリヤもまーったくない。


 だれかバッセンつくってくんねーかなぁなんだったらそこで働きたいなぁっていう願望は置いとこう。オッサンのくだらぬつぶやきさ。






:コスパ良さげ?:


 バッティングセンター。運動になるし爽快感あるしで、そこそこ良い趣味なんじゃないかと思う。思わない? あと、まあ主観や地域差によるけどお金もそんなかからない。わたしが通い詰めてるバッセンは、ちょっち工夫すると1回200円程度に抑えられる。でも都会じゃ3回で1000円とか払うんだよね? 以前秋葉原のバッセンに行ったらそんな感じだった。まじでビックリした。


 ただね、期間あけて通うとまあまあ筋肉痛になる。ワイ、ちょっち右足に体重かけるフォームしとるんだけど次の日どころかその日のうちにまあいたい痛い。こういうのは継続せんとすぐ弱っちゃうなぁと悲しみつつ、またバットを振り続ける。そーいや最近ホームランにぶちこんでない。よし、次来たときは狙っていこう。


 通いこんでると、いろんな人を見る。よくいるのはやっぱりというか野球部のみなさん。熱心なパパや世話焼きのママに連れられひたすらバットを振る。たまにすっげーセンスの子もいてこちらが勉強になったり、逆に「あぁ~こうすればもっと打てるようになるんじゃないかなぁ~」と飲み屋のオッサンみたいな感想を抱いたり。まあ、実際に口出しとかはせんけどね。したら完全に不審者やん?


 あとカレカノもいる。おのれ末永く爆発しろと心のなかで念じつつ、彼女がカレピッピの勇姿に惚れ惚れするシーンを……いや、実はカップル客は上手でないパターンのが多い。なんでだろう? 野球部出身の男子ってデートにバッセン行かんの?


 あとはわたしのようなフツーのオッサン。ウデはシングルAからメジャー級までさまざま。わたしはどんくらいだろう? ……いちおう4番打ってた人なのでダブルA以上は自称したいなぁ。


 もちろん、陽キャたちが騒いで「130キロ速すぎて打てねー!」とキャッキャウフフしてることもある。あと、ちかごろは野球女子も増えてる。なぜか知らんが、おんなの子はめっちゃフォームが良いパターンが多い。わたし学童野球っ子に教えてたことがあるので、ついつい子どもたちを観察しちゃったりする。あーいろいろアドバイスしたい(不審者


 見渡せば、いろんな人たちがそれぞれの楽しみ方をもってる。ただバカスカ打つだけじゃなく、経験者が見て「おお!」となる人もいる。たとえばそう――プロ野球選手のフォームをマネて、しかもガッツリ打ちまくってる人とか。






:バッセンのヒーローになろう:


 だれでも自由に楽しめるのがバッティングセンターの良いところだ。とはいえ、順番待ちの人がいるのに連続してゲームするのはマナー違反となる。待ち人がいるなら譲ってあげましょう。1プレイだいたい20~30球くらい。ふつーの人が全力出したら、たぶん10球くらいでヘバるはず。まあ、ちょうど良い数なんよ。


 ウマいかどうかはさておき、野球経験者の多くは『さいしょの数球はバント』をする。ボールがこっちまでやってくる感覚を掴んだり、球の質を見極めたりするパターンだ。


 これは経験者からすっと「むむむ?」となる。バッセンを楽しむだけでなく己を鍛える修練場として"練習"できてる証だ。


 さらに評価点となるのが『ボール球を見逃す』という行為。実践において、ピッチャーは打ちやすい球なんて投げない。しかしバッセンは楽しませるために打ちやすい球を投げる。が、たまーにコントロールミスでボール球になる。


 けどバッセンの打席に立つ場合、べつにボールの見極めなんてする必要はない。だからどんな球でも打ちに行ってしまう。その気持ちを抑えて、しっかりとボールを見極められるのは"本気"の証だ。


 ちょっと変化球的な話をしよう。バッセンといいつつ、あえて『捕球練習』として活用する場合もある。わたしもやったことがある。たとえばキャッチャーやファーストの練習としてわりと使える。一般のお客さんからすると「おお!」というより「なにやってんの?」的な視線になる。まあ、そういう視線に興奮するって方はぜひともやってみていただきたい。


 なお、軟式ボールとはいえ100キロ球のボールは痛いですよ? え? 硬式ボールでやるの? ――えーっと、ケガしないでね? 自己責任だからね?


 番外編。わざとデッドボールを受けに行くのは見苦しいダサいくだらない蛙化現象待ったなしなのでやめておけ。あんなの今どきのYouTuberでもやらん。金のムダだ。


 ああ、最も基本的なことを忘れた。いわゆる『マイバット持参』というヤツだ。まあ、これは珍しくもないので「おお!」というより「ああ、経験者なんだな」程度。ただし、バッティングセンターのボールは通常のそれと異なるので、試合用だったり大事なバットの場合はおすすめしない。ふつーにバッセンにあるバットを使うべし。まあ、わたしは軽すぎるので持参していくけどね。


 わたしが個人的にやってることを紹介しよう。一種のルーティーンみたいなものだ。まずは打席の距離感を測る。学童野球時代からやってるのだが、ホームベースにバットを置き、アウトコースいっぱいとバットの先(ヘッド)をあわせる。で、グリップエンド(一番手前)につま先を当てて、そこを自分の立ち位置とする方法。あとは微調整。慣れてると、この作業をせんでも一発で立てるようになる。けどいちいちやることが肝心。


 次はインパクト(バットにボールが当たる瞬間)の状態で待ち、半ばバントのように当てる。この時の感覚が大事。マジ大事。続けて下半身だけインパクト時のステップにして、上半身だけ動かしてボールに当てる。これをどんどん続けて、やがて通常フォームから当たる瞬間までのフォームをゆっくり確認していく。


 あとはひたすら楽しむ。さあかっ飛ばそう!


 より意識高い系になりたいなら『打席ごとにテーマをもつ』ってのもおすすめ。たとえば右方向だけ狙うとか、コースに逆らわないバッティングをするとか、頭の中で「レフト前ヒット」と唱えて、そのとおりになるようバッティングしてくとかもおもしろい。アウトカウントやランナーの状況を考えて、自分がどのようなバッティングをするか? 的な思考をするのも実践的で良い感じ。


 スクイズバントの練習として『打席から離れてバントする』ってのも妙技だ。わざとバッターボックスから離れ「スクイズを仕掛けたらボールを外された!?」的シチュエーションをつくる。以前、これをやったら次の野球少年にマネされたことがある。めっさうれしかった。


 これらが考えられる「おお!」と思わせるプレイングだろう。みなさまにおかれましては、ぜひこれらのテクニックを活用しバッティングセンターのヒーローになっていただきたい。


 まあ、オッサンは草野球やってないんだけどね。




 バッティングセンター。そこには老若男女十人十色のドラマが隠れており、ひたすら野球がうまくなりたくて、あるいは彼女にイイトコロを魅せたくて、ただただ友人とウェーイしたくて、運動不足解消に、野球が好きだから……ほんとにいろんな人がいるんだなぁと。


 そういった情景を見ると、ついつい「ああ、日光市にもバッティングセンターがあればなぁ」なんて空想にふけってしまう。ほんっとだれかつくってください通い詰めます。あ、でも1回250円くらいにしてくださいたぶん毎日行くと思うので、ええ。


 野球、好きですか? 好きな人もそうでない人も、ぜひぜひバッティングセンターに通ってみてください。日光市から、キミの健康増進を祈っていますよ?

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