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自分が取り組んでる事を話す人は選んだほうが良い

 わたしは今、物書きをしている。もしかしたらキミも、何かしらを表現しているかもしれない。


 芸術家を目指しキャンバスに色を染めている。マンガが好きで日々イラストやマンガを描いている。軍事ものが好きでエアガンを多数所持してる。男性だけど女性者の下着のデザインに惚れていて、将来そのデザインを手掛けたい。靴磨きを生業にしたくて、日々靴磨き用の布を眺めている。


 人によっていろんな取り組みがあるでしょう。そのために創意工夫をこらし、前進しようとしてる方も多いでしょう。けど、それが世間とかけ離れていればいるほど他者に相談することができなくなる。わたしの知り合いがまさにそうだった。まあ、具体的に何がどうとは書かないが。


 気の知れた友人、家族にさえ相談できないこともある。もし自分の取り組みが否定されたら、バカにされたら、そんなことできるわけないと言われたら――あるよね、そういうの。


 言えなくていいんだ。今回はそんな話をしよう。






:多様性という罠:


 十人十色ということばがあるが、人間の思考はある程度限定されている。


 ごくかんたんな例。目玉焼きに何をトッピングするかって問題。これが十人十色である可能性はまあゼロでしょう。


 だいたい『しょうゆ、しお(こしょう)、ソース、マヨネーズ、そのまま』くらいなもんで、日本の各地方からひとりずつ選択でもしなければ、だいたい十人三色程度におさまるだろう。


 もちろん、それぞれの想いのディテールはあるだろう。それに至った理由は思考ルートまで考慮すればさらに分岐するだろう。とはいえ、十人十色までいくのは難しいのではないだろうか?


 目玉焼きのトッピングのようなシンプルな質問もそうだが、この傾向は人生を左右するレベルの質問でもおなじだ。進学先はどこが良いか? どのような企業に就職すれば良いか? 対人関係はどうすれば良いか? 人生の伴侶はどのような人が良いか? 好きなペットは? ご近所付き合いは?


 いろいろな問題があるね。これらをひとりで決断するのは難しく、時として他者に相談することもあるでしょう。そこでまた、ややこしい課題が生まれる。


 相談相手の選別だ。


 極端な例をだそう。クラスメートに「目玉焼きに何トッピングしたほうがいいかな?」と尋ねるのは、まあ日常会話のひとつだろう。先生にそれを質問するのもまああるっちゃあるだろう。では校長にはどうだろう? 学校事務の人には? 庭で草木の手入れをしてる人には? 道端ですれ違った人に同じ質問ができるだろうか?


 後に挙げた人ほど質問しにくくなっていくだろう。相談事とは、こんな感じに相手を選ぶものだ。


 目玉焼きのトッピングなんつーどーでもいい・・・・・・レベルの場合、相手と自分の交流レベルだけがハードルになってくる。もっとレベルが高い相談事をするなら――たとえば、キミが野球部に所属していて「もっとうまくなりたい!」という時だれに相談すると思う?


 同じ野球部の仲間、あるいはコーチや監督に聞くだろう。このように、相談内容によっても質問相手が限定されていく。


 さらに困ったことに、相談事でなく自分自身を表現する"自己開示"要素がはいると相談ハードルがめっきり上昇する。よほど信頼できる仲間でなければ言えないこと、キミにもたくさんあるでしょ?


 それでいいんだよ。それは人を信用しないのではなく『キミがキミ自身を大切に思っている証拠』なのだから。






:わりあいの問題:


 世の中いろんな格言があるね。その中にはだれがどういう人なのか? 的なニュアンスのものもあって、わりと多いのは人口比でたとえる話。


 あ、難しく考えなくていいよ。これけっきょく「〇〇をする人は100人中◯人だ!」みたいなヤツだから。


 ふと思いだしたのは『働きアリの法則』。これからの季節、田舎じゃあっちこっちにアリの行列がある。とある働きアリがエサを見つけて、フェロモンを出しつつ巣までもどり「みんなーアッチにおいしいものあるよー!」と知らせ、みんなでそこに向かってえっちらおっちら運び込んでいく。構造化された素晴らしい仕組みだね。


 ところがどっこい。アリにはよく働くヤツと働かないヤツがいるのだ。それを示すのが働きアリの法則。別名『2-6-2の法則』だ。ザックリ見てみよう。


・2割の働きアリはめっちゃがんばる

・6割の働きアリはフツーにがんばる

・2割の働きアリはずっとサボってる


 アリさんとよーく観察してみて。巣穴から跳び出して「エサは! どこぞにみんなの腹を膨れさせるほどのエサはないか!」と駆け回ってるのが最初の2割。こやつは全食料の8割をまかなうくらい大活躍しています。一方、もう2割のほうはぽけーっとしてそんな動かない。


 ここからがおもしろい話。試しに2割のめっちゃ働くアリだけのコロニーを作ってみよう。そうすれば、みんな働きまくってあっという間に大規模な巣が完成するはずだね――あれ?


 2割しか働かねーんだけど?


 エラい人がそうだって言ってるんだからしかたない。めっちゃ働くアリさんたちを集めても全員が働いてくれるわけじゃないんです。それはわかったけど、じゃあサボってるアリさんを集めたらどうなるの? みんな働かなくて終わってしまうのではないの?


 いーや、しっかり働くんだなぁこれが。そういうのをだいたい平均すると2割がめっさ働き、6割がふつうに働き、そして残る2割はサボるようになる。働きアリを観察してたら、そんな割合が出てきたんだね。


 だから何? って話だよね。これがタイトルとどう関係するんだって。ここでキミに言いたいことは至極シンプルなことだよ。


 どうあがいても"割合"が存在するんだ。






:批判する人、聞くだけの人、応援する人:


 働きアリの法則。これ、なんか別の種族にも言えそうじゃない? ――たとえば『人間』っていう生き物。あいつらこんなかんじ・・・・・・じゃない?


 どんなことでも割合がある。十人十色、千差万別、多様性、どんな表現方法を使ったところでこの事実は変わらない。これがタイトルと深く結びついてくる。


 自分が取り組んでる事を話す人は選んだほうが良い。なぜなら、これには一定の割合があるからだ。


・キミの話を嘲笑う人

・キミの話をただ聞く人

・キミの話を聞いて応援してくれる人


 そして、これは残念ながら2-6-2の割合ではない。そのほとんどがキミを嘲笑うだろう。応援してくれる人なんてほんのひと握りもいないだろう。具体的な割合を知りたい? ――キミが触れているすべてを見てごらん。SNSでキミが見かける文字列。YouTubeやTiktokでキミが見る動画。クラスメートとの何気ない会話やその周囲から耳に入ってくるワード。道端ですれ違ったり同じ電車に乗る人たちが発することば。それらをすべて観察して上記の比率を考えてごらん。


 それ・・が答えだ。


 だからこそキミは躊躇する。自分が取り組んでいることを他人に打ち明けることを。バカにされるのではないか? 否定されてしまうのではないか? そういった不安がつきまとっているだろう。


 たが安心してくれ。上記の法則にはとても貴重な事実が存在する。


 キミを応援・・・・・してくれる人・・・・・・は必ずいる・・・・・


 ゼロじゃない。必ずいる。キミが今取り組んでいることを応援してくれたり、あるいは喜んで協力してくれる人さえいる。インターネットでだれもが繋がれるこの時代、昔よりずぅぅぅっっっっっと『キミを応援してくれる人』とつながるチャンスが多い。というか確実?


 やり方はとてもシンプル。ただSNSで『自分が取り組んでいること』について調べればいい。そうすれば、キミと同じように努力し、前進しようとする人たちに出会える。


 そういった方は、もしかしたらキミと同じ悩みをもっていたかもしれない。気軽に話しかけてみればいい。ダメだったら切ればいい。それでいいんだ。


 何より大切なのはキミを受け入れてくれる仲間の存在だ。それがあれば、キミはより速く前へ進める。


 ひとつ注意。人間は割合だって書いたね。だから必ずキミを批判する人も現れる。いや、キミに直接話しかけてくることはないだろう。けどキミがやっていること自体を否定するようなコメントだったり、意見を書く人は必ずいる。


 それはいる・・のだから仕方ない。ネット上で表現したり発信すると、必ずといっていいほどそういう類のアレコレに触れる。場合によってはふっかけられるかもしれない。わたしもそうだった。


 そういう人には何をどう表現してもムダなのでさっさと切るがよろしかろう。まあ、わたしは心理学をお勉強してそういうの・・・・・の心理をある程度理解してるけど、それでもまあ「なんでわざわざそういうことを……」と思ってしまうこともある。


 そのくらい、SNSは混沌としてる。まあ、しゃーない。それも人間の魅力さ。まあ、個人的な話は置いといて、キミはキミのためにもっと他者と繋がってみることをおすすめするよ。


 キミが前進するためにね。

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