麻薬、ダメ、ゼッタイ。
ちょっとは、もしくはミッチリと学校で教えてもらってるでしょう。もしかしたら警察さんがやってきて「麻薬っていうのはねぇ~」と講習を受けたかもしれない。
麻薬は脳をおかしくさせて、依存させてしまうからゼッタイやっちゃダメだよ。誘われても断ろうね。もしそういう友達がいたら止めようね。具体的な麻薬の名前を教えてらったり、まあそんな感じに教わるんじゃないでしょうか?
で、さいきん新たな麻薬として広く取り上げられているのが『フェンタニル』。今回のタイトルだね。ニュースなどでキミも知ってるかもしれない。
あちこちでヤバいヤバい言われてるのはわかったけど、学校で教わった程度の情報じゃものたんないしなんか納得できない。そんなキミにわかりやすく、けどより深くディープな解説をしていこうと思う。
:そもそも麻薬ってなんだ?:
もしかしたらって話。キミは過去に麻薬を使ったことがあるかもしれない。いや、キミを疑ってるワケじゃなくて、麻薬言われてる物質を
お医者さんによってね。
たとえば麻酔。あれには麻薬と同じ成分がある。っていうか、えーお医者さんとかが適切に使えばそれは『薬』と呼ぶわけ。
キミがもし大怪我して麻酔せなアカンという時、お医者さんが適量をキミにぶちゅっとする。で、それが痛みを感じる神経を邪魔したり興奮させるのを抑えたり、あるいは身体を落ち着かせる神経を働かせたりして痛みを和らげてくれる。それが
けど、中には自分が気持ちよくなるためという理由で使う輩もいる。お医者さんが使う何倍もの量をぶちゅっとすれば効き目も倍増と思うじゃん? けど、それって神経を過度に働かせたり、あるいは休ませすぎたりするからやべーのよ……そうだねぇ、たとえば心臓を働かせる神経を休ませたらどうなるかな?
お医者さんは適量を知ってるけど、素人にそれを注射させられたりしたら、キミはどうする? ――警察さんは
薬物に依存しちゃうって話あるじゃん? あれ、なんでだと思う?
薬にはいろいろな作用がある。神経を興奮、あるいは落ち着かせるんだけど、それによって人は気持ちよさを覚えてしまうんだ。人が感じる"幸せ"だって脳神経が生み出すものだからね。そいつをビリビリィ! っとしたらヒャッハーな気持ちになれるし、落ち着かせれば脱力した多幸感を得られる。
それを過剰摂取したらどうなると思う? ――今までの人生のなかでもイチバンの幸福感を得られる。そうしたら、人は「もういっかい、もういっかいだけ……」とまたやってしまう。で、また幸福感を得る。そしたらもおう無限ループ。だから依存性がある。これは「もうやめよう!」とかいう人間の意思
意思も脳機能の一種だからね。その程度じゃ薬物によってムリヤリ引き出された幸福感を制御できないのよ。
:おクスリの魅力と害:
むかーしから、人類は麻薬の存在は知ってた。ある植物を煎じて飲むと痛みが和らぐとかそういう知識はあったの。
で、とある研究者が痛みを和らげる物質を抽出して、それを薬として使うようになった。それは『モルヒネ』って呼ばれてるヤツ。1803年のこと。
当時の人類はあちこちで戦争してたからね。そりゃあもう痛み止めが必要な現場ばかりだったでしょう。ってことでモルヒネ大活躍!! ――し過ぎました。はい、そのあとモルヒネをやめられない人が続出したんです。
「これさぁ……麻薬って依存性あるんじゃね?」ってのが判明した瞬間でした。じゃあどうする? そうだ! もっと依存性の少ない麻薬をつくろう! っていう試みがあってヘロインが生まれてやっぱ依存性あって禁止されてまた生まれては消えての繰り返し。完全に痛みだけを取り除く薬物ってあるのかなぁ……神経に効くってことはあらゆる神経に効いちゃうので、専門家でさえ完璧にコントロールできないのに素人が快楽目的でヤッちまった日にゃぁね?
とはいえ、人間は目先の快楽を求めてしまうもの。医療用として禁止された麻薬は、しかし社会の裏で頻繁に取り引きされるようになりました。
名前を変えてこそこそと。悩みがなくなって気持ちよくなれるよと誘い、依存させ、そいつが持ってるもの――金でもなんでも――を根こそぎ奪い取り、用済みになったらサヨナラ。まあ、ヤクザがよくやる手口だね。
国だって黙っちゃらんねーから『麻薬及び向精神薬取締法』などの法律をつくって規制してるけど、それって逆に書けば法律で規制されてない物質は合法だよね? ってことですり抜けを狙ったりなんだったり。どうにかならないものかねぇ。
:フェンタニルってなんだ?:
フェンタニルは人類が開発した『薬』のひとつです。ベルギーのポール・ヤンセンって人が開発しました。めったくそ強力な鎮痛剤で、静脈に直接投与した場合、効果的にはモルヒネの50~100倍とか言われてる。
1968年にアメリカで医療用として承認され、フェンタニルは痛み止めの薬として重宝されました。たとえば手術中、術後、歯科治療などなど活躍の幅が広い。市販薬としても処方箋ひとつでゲッチュできることもあり、アメリカじゃ広く流通してたようです。アメリカに限らず、フェンタニルは世界保健機関が「この薬は現代医療には必須だよね?」と定める薬品リスト(WHO必須医薬品モデル・リスト)に掲載されるレベルで浸透してます。
ところがどっこい、こやつにはちょっとヤバい特性がありました。どんな? ってと
YouTubeチャンネル、病院グループ総帥 中田総院長
ttps://youtu.be/pUENiupInG0?si=N6GHq9YjuyrLzgsa
即効性がありいろいろ便利なため、お医者さんの間でも重宝されるようです。ただ、微量で命に関わるので1回ごとの使用料は少ない。痛み止めとしては、たとえば湿布みたいに肌に張ってじーんわり効かせるような使用法が主。なんにしても、フェンタニルはお医者さんに厳重なる管理のもと使われています。
さて問題。微量でもオーバーしたらアウト(命的な意味で)な薬が素人判断で使われたらどうなるでしょう? ――アメリカでは処方箋だけで手に入れられる状況がありましたが、後に「フェンタニルの過剰摂取でタヒぬ人多すぎ笑えない」ってことで社会問題となり、お医者さん側もフェンタニルをやすやすと処方しない流れになったようです。
が、需要はあるんだよ。だから需要に対する供給がどこかにありまして、えー、まあそういうのはだいたい"裏"からなんですよね。
カナダ「マジで?」
メキシコ「呼んだ?」
はい。そういうことです(なにが?
現状、アメリカではフェンタニルに依存した人がたくさんいます。カリフォルニア州のアレはもちろん、アメリカの麻薬取締局(DEA)さん発表によると、現在の『アメリカの18~45歳までの死亡原因の第1位はフェンタニルです』なんですと。
ほかにもカナダ、ヨーロッパなどで規制がかけられており世界的な問題になりつつある。もちろん、日本でも上記で紹介した法律によって麻薬指定されています。日本でカリフォルニアのようなことが起こらないよう祈るばかり。
薬は適量だから薬になる。量を間違えればそれは"毒"でしかない。それをしっかり覚えておきたいね。
麻薬を使いたいとまではいかないけど、キミにも悩みとか辛い思いとか、逃げ出したい気持ちがあったりする時あるよね。
その気持ち、めっちゃわかる。そういう時いちばんいい方法は『紙に書き出す』ってこと。自分が感じてる不安、その理由、それを払拭するために考えられる選択肢。そういうのをリスト化して、いちど眠った後に読み返してみると良いですよ。
キミの人生がより豊かで幸せになりますように。もしよろしければ、感想や悩みなどをお聞かせください。