わたし日光市のひとです。世界遺産の郷として、わりと外国人とすれちがいます。
縁あり、いっとき外国人と触れ合う場所にいました。で、交流していろいろなお話が聞けました。そいつらが言うに「ここがオカシーよじゃぱにーず」っていうのたくさんある。そのなかであーたしかにと思ったやつがある。
「ジャパニーズさぁ"I"おおすぎない?」
日本にやってくる外国人ってだいたい日本好きが多いねん。なかでも影響がデカいのはアニメ。NARUTO、ONEPIECE、じゅじゅちゅかいしぇん。カタコトジャパニーズちょっとかわいかった。
で、アニメキャラっていろんな個性出すために
ぼく
わたし
おれ
わたくし
せっしゃ
ちん
それがし
おれさま
あたい
わし
わい
うち
おいら
とうほう
ほんかん
しょうせい
とうしょく
わがはい
……おおすぎね? っていうのが外国人だいたい思うこと。外国人同士でしゃべらせてみても、わたしがなにげなーく「日本って一人称おーいよねー」って言ったらみんないえーす! って反応する。
で、さらに驚くべきことに、日本人がほぼ『ぼく・わたし・おれ』だけ使ってる様に愕然とする。あるいは絶望? ナンデ? ナンデ"セッシャ"イワナイ? ヘイジャパニーズ! みたいなかんじ。
アニメで日本語勉強してるやつらだからまじで驚く。イッショーケンメイ勉強したのに! みたいな。リアル一人称拙者にしてる方はとりあえず訂正させときました。カジュアルなシーンならともかくフォーマル界隈じゃ使わんほうがいいよって。
わたし自身、外国人に言われてはじめて「あぁたしかに」と気づく。っていうか指摘されたんよ。わたしはこういう書き文書では『わたし』使うけど、会話口調だと『おれ・うち・じぶん』を使い分けるタイプなので外国人に「Uchi? what is this?」的な感じで質問されたのです。
ってか一人称さえ使わんよね日本語って。英語だと[I'm going to school]って言うけど日本語だと「学校に行ってくる」ってなる。英語圏の人からするとわたしはどこいった? 的なツッコミが漏れなくついてくる。
文化の違いってヤツかなぁ……とはいえ、この一人称問題は日本人にとっても問題だなぁと思うことがあるのよ。
:一人称を変えるタイミング:
わたしたちだって日本語を勉強して覚えるわけよ。ちっちゃいころからパパママのマネして育ってって、そのなかで一人称もおぼえる。
だいたいは『ぼく・わたし』だね。おとこの子はぼく、おんなの子はわたしで、たまに自分の名前を一人称にするかんじかな? だけど、いずれ思春期を迎え自分の世界が広がっていくと、考え方の変化などから一人称が変わることもある。
おとこの子はとくに『ぼく → おれ』へのスイッチが難しい。あと思春期のあれこれによってワシとかひねくれた一人称を使うこともあるかもしんない。修学旅行で木刀を買う人の一人称"ワシ"率の高さ。
ニュアンスを変えるってのもある。わたしはわたしでも「ゎたし↑」みたいな言い方にするか「わ→た↑し→」にするか「あたし」に寄せてくか、この微妙なちがいで個性を演出する日本語、プライスレス。
かく言うわたしのリアル一人称は"いろいろ"だけど、そのいろいろもシーンに合わせて使い分ける。ビジネス、カジュアル、和気あいあい、個人間のまったりした会話、ネット上の名乗り、その他もろもろ。たぶんキミもそうだと思う。
そういう時期にうまく一人称エボリューションができなかった子は、まあそのままぼくで通したりややこしい一人称のまま過ごしたり、友人間だけ独自の一人称を使っちゃうなんてパターンもあるかもしんない。
キミはどう? これワイだけやろみたいな使い方あったらコメントで教えてね。
:キャラ特性を出したい:
創作物っていろいろなキャラが登場するじゃん? たとえばラノベ。そのキャラがどんなヤツかを特徴づけるために髪の毛を青色にしたり筋肉もりもりにしたり工夫するけど、日本の場合は一人称で個性を出す。
「ぼくは犬」
「おれは犬」
「わたしは犬」
「わたくしは犬」
「せっしゃは犬」
上記5例、それぞれいろんな背景がイメージできたと思う。さいしょの子は一般的? な印象。にばんめはややイケイケ系なのかもしれないし、その後の犬たちはおんなの子かもしれないし、さいごの犬は渋いキャラかもしれない。
いずれにしろ、なんとなくイメージが湧く。じゃあ英語にすっとどうだろう?
ぜーんぶ[ I am dog ]になる。
ってことで、別の表現で個性を出さなアカンね。たとえば[ I am ~ ]にするか[ I'm ~ ]にするか[ My name is ~ ]にするでも良し、英語にも中英語とか古英語みたいな表現があるからその単語を多用してキャラ付けするとか――アナタは基本[ You ]だけど古英語の表現である[ Thou ]を使うなんてのもアリアリ。
それぞれの国の文学は、それぞれの国がもつ言語の特性をよぅ活かしてる。あるいは文化も。日本語はたくさんの一人称があるんだから一人称で個性を出して、英語は一人称がないかわりにいろんな表現を駆使してキャラを出す。
良し悪しじゃなくて、言語の個性をうまく操った作品ができてるってこと。髪の毛が青いジャパニーズなんているわけないじゃないかと言われても、日本のマンガがそういう文化だっていうだけでね。まあ、もともと子ども向け作品でキャラの性格を色で表現したみたいなアレコレ事情あるけどここで書くのはパス。
日本語ならではの表現言うたら多種多様すぎるオノマトペだね。とくに、こう、なんというかオトナ向けの作品の、いろいろほとばしってる時のアレとかすげーよな。どういう気持ちで書いてんだろう。試しに自分でも書いてみようかしら?
まあ、それは置いといて、えーキミもいろんな日本語独自の表現を思い出してみてね。これは個性的だった的なのあれば教えてほしいし、この話題にめちゃ共感できると思った方は高評価してね。
キミの創作ライフに幸多からんことを。