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法を侵さず、法を守れば何をしてもいい

「法には抵触しておりません」

「適法です」

「違法行為にはあたりません」


 ちかごろ、こういった文言が巷に溢れているように思える。日本は法治国家なので実際これが正解だ。だから政治家はこの文言をあたりまえのように使うし、いろいろ・・・・を問われた人もこの表現を使う。


 法を侵さず、法を守れば何をしてもいい。


 正解だ。ぐぅの音もないくらいの正解だ。法治国家とは法律が基盤として存在し、法律があってこその国と成り得る。だから法こそがゼッタイであり、法を破ることは罪に問われる。


 キミが学校でスマホの充電をすれば窃盗罪に問われる可能性があるし、ゲーム映像をSNSに投稿すれば著作権法違反になるかもしれないし、歩行者に道を譲られたからと言って横断歩道を突っ切れば道路交通法違反に問われるだろう。


 でも、世の中すべての例でそうなっているか? と問われるとそうでもない。なぜだ?


 法とはあくまでも社会規範の礎・・・・・・であり、何をもってしても優先しなければならない規則ではないからだ。


 法と実生活は、言うなれば手段と目的だ。その国、社会に所属する人たちがよりたのしく、へいわで、しあわせに、おもしろく、とりあえずいいかんじに暮らすことができれば最高だろ? それを実現するために法律が存在する。法律は目的達成のため生まれた手段となる。


 が、その法律を重んじるばかり実生活や暮らしをぶっ壊してしまうのであれば元も子もない。極端なたとえだが、その国の平均月収が10万だったとして、法律で制定されてるからと月20万の税金を収めなければならない法になっていたらどうだろう? ――いや、おそらく読んでるキミは笑うだろう。そんなことあるわけねーだろと。


 ああ、そうだね。そうだろう。日本はたぶん、そんな国じゃないと思うよ……………………………ほんとに?


 っという冗談はさておいて、キミたちは投票行ったかな? どこにだれに投票したかは秘匿情報なので言わんでもいいけど、まあ思うことがあれば遠慮なくコメントいただければ幸い。






:悪い人を見つけたら:


 法を侵さず、法を守れば何をしてもいい。これ逆に書けば法を侵し、法を破った者には罰を下すということ。


 かんちがいしてる人が多いが、法的に罰を下す権利をもつのは裁判所だけだ。第三者はもちろん、当事者だって罰を与えることはできない。やったらそれは報復行為だ。被害側は法律に則り、裁判所に罰を与えるよう要求してるのが法的な手続きとなる。


 っていうのが基本なのだが、まあSNSを見てるとなんかわるいこと・・・・・した風のひと・・・・・・に対して罰を与えようと意気込んでらっしゃる人(アカウント)の多いこと――悪いことをしてるんじゃないか? と思われる人には遠慮なく攻撃的になっているが、実はそれすらも罪に問われるかもしれないのでご注意ください。それを知らず「あいつ悪いことしたから徹底的に責めようぜ!」となってる昨今、まあ、日本がそういう方向に進んでるのだからしかたないと言えばしかたないのだろうが。


 一部、自分に都合良く解釈してる方が多い印象を受ける。まあ、わたしがそういった情報にしか触れてないからそう感じてる可能性もあるが……今回の話題はあくまでタイトルに関することなので、SNSの誹謗中傷についてはあまり深く考えないようにしておこう。沼る。


 法を侵さず、法を守れば何をしてもいい。この考えはまあわかるが、世の中これを徹底的に守ってる人は皆無だろう。だれしも、少なからず違法になってる部分はある。べつに他者をあやめたとかそういうレベルじゃなくて、まあぶあつーいろっぽーぜんしょその他いろんな法律の片隅のいち文に触れてますよというレベル。もしくはそれに問われるかもしれませんよというレベル。


 法的な意味で潔白なにんげんなんていない。法律はあくまで暮らしの土台であって、それをすべて守れなければ悪人だというわけではないのだ。あ、だからつって堂々と窃盗行為とかするなよ? この主張をそこまで拡大解釈するなよ? 会話ができる人になれよ?






:法律ってどうやってできるの?:


 社会の授業で習ったように、日本は三権分立というしくみで成り立っている。


・立法

  法律を制定できる権利。つまりは国会

・行政

  法律に基づいた政策をする権利。つまりは内閣

・司法

  法律に基づいた裁判を行う権利。つまりは裁判所とは


 内閣は法に基づいた政治を行うので、国の行く先を決める大きな原動力となるう。で、内閣が直接法律をつくれたらそれはもう支配体制待ったなしだろということで、法律をつくる権利は国会の議員さんたちが「この法律どう?」とあたらしい法律を提案したり、あるいは修正を試みたり忙しそうだ。


 まあ、内閣の人たちって基本国会議員だったりするから三権分立が厳密にできてるかどうかと問われると玉虫色。まあ、そうならぬよう議員さんはいろんな考え方、つまりは多様性的な、多種多様な考え方をもった派閥ごとに分かれ、それを〇〇党と呼んだりするのかもしれない。


 司法は法に基づいて裁判を行う権利をもつ。議員さんたちがいろいろケンk話し合って生まれた法律をもとにいろんな人の訴えを聞き入れ、最終的に悪人成敗したり仲裁したりする。ちなみに、警察は治安維持の人であって最終的なジャッジは裁判所が下すので、逮捕された時点ではまだ悪人確定ではない。けど、日本だとなぜか有罪率がごっつい高く、捜査機関である警察が「こいつ悪いことしたよー! 操作したらこういう結果になったよー!」という情報を検察に送って「あ、これ罪に問えそうだ」と判断した場合行う"起訴"による有罪率はほぼ100%。まあ、検察さんが起訴するハードル高しくんらしいから多少はね?


 いちおう、三権分立はこれらの関係がしっかりつくられ、それぞれが独立して権力が集まらぬようにし、結果いいかんじ・・・・・になるんだよ! という仕組みです。どうでしょう? 日本はこの仕組みでうまくいってるでしょうか?




 日本は法治国家です。法を侵さず、法を守れば何をしてもいいというのはまあ正解っちゃ正解です。理屈的な話はこのヘンにして、キミはこの話に納得できるでしょうか?


 法を侵さず、法を守れば何をしてもいいでしょうか? 良い、悪いとすればその理由はなんでしょう? ……これを機に考えてみてはいかがでしょうか?

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