俺は奴の腹にさらなる苦痛を与えるように、踏みながら言う。すると……。
「……ご、51人、だ……教師が2人…」
川面はあっさり白状した。51人、内教師が2人か。よし次の質問に移るとしようか。
「お前たち勇者が活動する目的はなんだ?」
すると奴は急に顔をそむけた。何かあるな…。
「答えろ!」
俺は奴の腹をさらに踏み潰す。奴は悲鳴を上げた。
「うぐあああっ!?」
「言え」
もう一度強く踏む。そしてグリグリと刺激を与えた。
「あぁっ!! ぎいいいっ!! いう! いうってば!!」
「そうか。じゃあ早く言え」
「サーラ様が、俺達に『頑張ったらこの世界の統治権を与える』って約束してくれたんだ!!」
川面は絶叫しながら白状した。だからと言って誘拐だの人体実験だのしていい理由にならない……。こいつらもサーラも俺の想像以上にクズだな。だがまあこれではっきりしたぞ。
「よし、じゃあ最後の質問だ」
俺はそう言うと、川面の髪を掴んで顔を向けさせる。
「勇者はバイレーンのみか? 他の国にはいないのか?」
「い、いる……他の国に行った奴らもいる…」
そうか。ならこれで情報はすべて揃ったな……。俺は川面の髪を離すとリリムに言った。
「リリム、ミア。少々ややこしくなった。こいつバイレーン以外にも勇者が散ったと白状してくれた」
俺はそう言うとさらに続ける。
「さて、こいつの処遇だがどうする?殺すか?」
俺が尋ねるとリリムは答える。
「いえ、エイジにお任せしますわ」
「……わたくしもです!」
任された、か…正直ここまでの勇者はこいつも含めて教養も品格もないような奴らだ。
時間もないし、手っ取り早く…
「リリム、こいつを尋問して勇者たちの情報を聞き出してくれ。俺は先に行く」
「分かりました」
川面はリリムに任せ、俺とミアは先に進んだ。
◇◆◇◆◇◆◇
しばらく歩くと大きな城の前だ。そこには……。
「よく来たな人間! 俺がバイレーン三巨頭の一人、『
奴はそう言うと剣を抜いた。俺は身構える。
「勇者か……」
確かに感じる魔力みたいなものは、これまでの3人よりもはるかに大きい。だが……。
「悪いがお前と遊んでやる暇はない」
俺はそう言うと奴の懐に潜り込む。そして……。
「誰に向かってクチきいてんだテメー…」
野郎が手を
(遅い!)
しかし言い終わらない内に、俺の
「ぐはっ!?」
さらにもう一撃。
「ごふっ!」
今度は胸板に蹴りを入れた。兵藤とやらはそのまま吹き飛び壁に激突し、そしてそのまま倒れた。普通の人間ならこれで死ぬが、さてどうしたものか?
「く、クソが……」
兵藤は立ち上がるが……。やはりな。ダメージはあるようだが致命傷ではないようだ。ならば……。
俺は奴に近づくと、頭頂部にフルスイングの手刀を入れる。ここには痛感神経の集中した急所経穴“
「ぐおおおおおっ!?」
兵藤は頭を押さえながらうずくまる。俺はさらに奴の髪を鷲づかみにすると、そのまま地面に引き倒した。