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西表島へ行った「ユキ」「レン」

 画像は、我が家の隔離部屋。

 西表島に住む方から里親希望がきた仔猫たちが過ごした場所。

 人見知りの「ユキ」と人懐っこい「レン」。

 彼らは里親さんのもとへ行くまで2ヶ月ほど、この部屋に滞在した。


 彼らは個人保護主さんの保護猫。

 保護主さん宅には、常時30匹前後の傷病猫が滞在する。

 頻繁に新規保護猫が入ることも多く、西表島への譲渡条件「他の猫との隔離」は難しい。

 それで、隔離が容易な我が家に、期間限定の預かり依頼がきた。

 消耗品を含む全ての飼育用品を里親さんが買い揃えてくれて、個室に完全隔離の預かりスタート。



 着いた当日は、トイレ籠城。

 2匹揃ってバケツ型の猫トイレから出てこない。

 猫にはよくあることなので、気にせずそのままそっとしておく。



 隠れていてもゴハンの時は出てくるので問題無し。

 1週間ほど経つと、後ろで見ていても気にせずゴハンを食べるようになった。



 2週間が経ち、人見知りのユキは相変わらず近付くと隠れてしまう。

 レンはすぐ慣れて寄ってきて、抱っこされるようになった。


 2匹は、我が家に来る前に1回目のワクチン接種を済ませている。

 我が家に滞在中に、去勢手術・マイクロチップ挿入・ウイルス検査・2回目のワクチン接種を済ませた。

 もしもウイルス検査でFIVやFeLVの陽性が出たら、西表島には行けない。

 病院搬送を引き受けるボランティアSさんは、2匹のために神社に祈願してお守りを買ってくれた。

 そのご利益があったようで、2匹ともウイルス検査は陰性、西表島に入る資格を得た。


 里親さん夫妻は猫たちに会うために海を渡り、週1ペースで西表島から石垣島まで通い続けた。

 猫愛に溢れる里親さんは、西表島入りの条件を満たしたらすぐ迎えに来てくれた。

 2匹は無事に西表島へ渡り、今も愛情たっぷりの家族と共に過ごしている。




【西表島の条例】※島猫たちのエピソードより

 西表島に猫を入れるには、下記画像の条件を満たす必要があります。


 ①ウイルス検査は生後5ヶ月以降、島内獣医師からは毎年1回検査するよう求められています。

 ②ワクチンは「猫伝染性白血病ワクチン」を含む4種または5種、毎年の接種が必要です。


 上記①は来島1ヶ月以内に検査していること、②は来島1年以内に接種していること、いずれも証明書の提出を求められます。


 ③の避妊去勢手術は来島前に済ませていること。

 ④のマイクロチップは、飼育開始から1ヶ月以内に済ませること。

 ⑤はウイルス検査済みの猫たちとの同居であれば隔離しなくてもよいが、屋外に出したり未検査の猫との接触は不可。



 西表島には、絶滅危惧種イリオモテヤマネコがいます。

 イリオモテヤマネコは、イエネコに近い種であるため、共通の感染症があります。

 致死性の高い白血病ウイルスなどを島内に流入させてしまったら、イリオモテヤマネコが感染して絶滅してしまう危険があります。


 そのため、西表島の獣医師は、正確な結果が見られる生後5ヶ月以降の検査を求めています。

 また、1回の検査だけではなく、毎年ワクチン接種のついでにウイルス検査もするよう求めています。


 絶滅危惧種を守るための条例ではありますが、飼い猫にとっても良い条例です。

 どうか厳守お願いします。



 西表島の医療についてのお問い合わせは下記へ


【どうぶつたちの病院西表】

 〒907-1434

 沖縄県八重山郡竹富町南風見201-47 竹富町離島振興総合センター内

 050-5526-2969

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