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パフェ店にて

 ある休日。涼香りょうか涼音すずねはショッピングモールに来ていた。


 そして今はおやつの時間。二人はフードコートの一角にあるパフェ店でパフェを食べていた。


「涼音のパフェ、美味しそうね」


 涼音のパフェは旬のフルーツがたくさん乗った色とりどりのパフェだ。


「一口食べます?」

「それなら私のパフェもあげるわ」


 目を輝かせた涼香は、自身の注文した柑橘類の沢山乗ったパフェの一角をスプーンで掬う。


「はい」


 涼音は周りをサッと見渡すと差し出されたパフェを一口で食べる。柑橘類の酸味と生クリームの甘みが味にメリハリをつけていて美味しかった。


「先輩も……はい」


 涼音はイチゴと生クリームをスプーンに乗っけて涼香の前に差し出す。


「ありがと」


 涼香はニコッと微笑むと、ゆっくり顔を近づけてスプーンを咥える。そのまましばらくスプーンを咥えたままの涼香、すると涼音の目が段々とジトッとしてきた。


「いつまで咥えてるんですか?」


 涼音がそう言うと、ようやく涼香はスプーンを咥えるのをやめた。


「ふふっ、美味しかったわ」


 唇に付いた生クリームを舐めながら、涼音の唇を見る。


「……それは良かったです」


 涼音は逃げるようにパフェを食べるのだった。

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