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家庭科室にて 2

 家庭科室にやって来た涼香りょうか涼音すずねはドアを開ける。


「来たわよ!」

「なんで偉そうに?」


 家庭科室ではここねと菜々美ななみが並んでクッキーを食べていた。


「いらっしゃい」


 菜々美が出迎えてくれて、クッキーをリスのようにもきゅもきゅ食べているここねが微笑む。


「お邪魔します」


 涼音は軽く頭を下げるが、涼香はよどみない足取りで二人に近づき、テーブルに置いてあるクッキーの乗った皿に手を伸ばそうとして――。


「ちょっと先輩、あたしのクッキー以外食べないでください」


 涼音に止められた。涼香の腕が涼音に掴まれている。ちなみにそれと同じタイミングで、菜々美がクッキーの乗った皿を涼香から守るように持ち上げていた。


「涼音の意地悪!」


 その場に崩れ落ちる涼香。


「あの、芹澤せりざわ先輩。材料費払うんであたしもクッキー作っていいですか?」

「うん! 涼香ちゃんから聞いて材料費も貰ったから大丈夫だよ」

「え⁉ 先輩が?」


 涼音が崩れている涼香に目を向ける。


「あ……涼音……はや……く……」


 後でお礼とお金を渡そう。涼音はここねに礼を言うと早速クッキーを作るのであった。

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