家庭科室にやって来た
「来たわよ!」
「なんで偉そうに?」
家庭科室ではここねと
「いらっしゃい」
菜々美が出迎えてくれて、クッキーをリスのようにもきゅもきゅ食べているここねが微笑む。
「お邪魔します」
涼音は軽く頭を下げるが、涼香はよどみない足取りで二人に近づき、テーブルに置いてあるクッキーの乗った皿に手を伸ばそうとして――。
「ちょっと先輩、あたしのクッキー以外食べないでください」
涼音に止められた。涼香の腕が涼音に掴まれている。ちなみにそれと同じタイミングで、菜々美がクッキーの乗った皿を涼香から守るように持ち上げていた。
「涼音の意地悪!」
その場に崩れ落ちる涼香。
「あの、
「うん! 涼香ちゃんから聞いて材料費も貰ったから大丈夫だよ」
「え⁉ 先輩が?」
涼音が崩れている涼香に目を向ける。
「あ……涼音……はや……く……」
後でお礼とお金を渡そう。涼音はここねに礼を言うと早速クッキーを作るのであった。