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休み時間にて 6

 ある日の休み時間。


『次の休み時間。会いに行ってもいい?』


 涼香りょうかからメッセージが送られてきた。


 涼音すずねは誰にも見られないように、スマホの明るさを下げて、身体で隠しながら返信する。


『どこでですか?』

『どこがいいのかしら?』

『えぇ……』

『仕方ないのよ。理由も無く涼音に会いたいのだから』

『じゃあ先輩のクラスに行きますね』

『それだといつもと変わらないではないの』

『ダメなんですか?』

『たまには違う場所で会いたいと思わない?』

『全く』

『素直になりなさい』


 涼音は文字を打ちかけたがすぐにその文字を消した。


 涼香のことだ。どうせクラスメイト達にトークを見せびらかしながら打っているのだろう。


『素直ですよ』

『私は涼音のことならなんでもわかっているのよ?』

『あたしも先輩のことならなんでもわかっていますよ』


 ……そこまで言うのなら他に誰もいないのかな?


 涼音はたっぷり悩んだ挙句。


『屋上前の階段』


 とだけ送る。


 机などが積まれていて人も来ないだろう。来たとしても三年生だから、騒がしくなることはほとんどないし。


『決まりね☆』


 涼香が得意気に微笑んでいる気がした。

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