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昼休みにて 3

 ある日の昼休み。


「明日は涼音すずねのお弁当を作ってくるわ」

「じゃああたしも先輩の弁当を作ってきますね」


 昼食を食べ終えた二人は、残りの昼休みを適当に過ごしている。


「おかず交換ではなくお弁当交換ね」


 涼香りょうかは不敵に微笑む。


 お菓子をよく作っている涼音は、お弁当のおかずを作る程度の簡単な料理なら問題無くできる。


 しかし涼香は、暗黒物質を作る程の下手さではないにしろ、よく材料をぶちまけたり砂糖と塩を間違えたりする。食べられないことは無いが、上手くできるかどうかは分からない。そもそも朝一人で作って間に合うかどうか。


「お母さんと一緒に作ってくださいね」

「なにを言っているのよ。お母さんの手を借りるわけないわよ」

「いや、作るのは先輩一人でやってもらってもいいんですけど、先輩のドジをフォローしてもらえるようにですよ」

「失礼ね」

「失礼じゃないですよ」


 頬を膨らます涼香の頬を突っつきながら涼音が答える。


 こうして和やかな昼休みが過ぎていく。

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