ある日の放課後。
「そういえば先輩って免許取りにいかないんですか?」
今年で
「そうねえ……」
人差し指を顎に当てながら涼香はゆっくり答える。
「お金結構かかるみたいだし、取る予定はないかしら」
「やっぱりお金かかるんですねー」
「二十は超えるらしいわよ」
お小遣いで生きている二人には到底払えない額だ。
「……バイト必須ですね」
「
この前誕生日を迎えた菜々美は今現在教習所に通っている。
いまいちピンとこない大金を払って教習所に通っている人物が身近にいたことに涼音は戦慄する。
「安心しなさい。菜々美が免許証を取ったら足になってもらうから」
「最低な発言ですね」
「燃料費は払うわ」
「うーん。それならよさそう?」
友達を足にする発言が最低なのだが、もうどうでもよかった。だって友達だし。
それはそうとして。
「ねえ涼音。もし私が取りに行くって言ったらどうしたの?」
「そりゃもう全力で止めますよ」
無言で肩を竦める涼香だった。