ある日のこと。星を冠するコーヒー店に来ていた
「私が上級者の注文の仕方を教えてあげるわ!」
「さすが先輩!」
レジの前でそう小声で宣言する涼香に、涼音も小声で応える。
店員が注文を聞くと涼香は右手を高らかに上げる。その天を指さすその仕草は、なぜか神々しかった。
そしてその手を、全てを断ち切らんとする程の勢いで振り下ろす。
「これをください」
ビシッと指さしたのは、期間限定のフラッペ。
そう、これが涼香の言う上級者の注文の仕方である。
「あたしもそれで」
涼音もそれに乗ることにより、最小限の言葉数で注文することができる。
そしてお金を払った二人は、フラッペができるのを待つのだった。