ある日のこと。
「
涼音の部屋のクローゼットを開けた
「サイズ的に無理です」
ベッドで寝転びながらスマホを見ている涼音がそう答える。
すると涼香は寝転がっている涼音の脚をグイグイと引っ張る。
「牛乳でも飲む?」
「なんでそうなるんですか。あとあたしは牛乳単体よりもカルピス牛乳割りのほうが好きです!」
「あれ美味しいわよね!」
「飲みます?」
「飲みたいわ」
「……じゃあ離してください」
涼香が手を離すと涼音が起き上がる。
「まずは原液を買いに行きましょう」
「なんですって……⁉」
涼香は窓の外へ目を向ける。太陽の光が容赦なくギラつき世界を照らす。
「ねえ涼音……。本当に外へ出るつもり? 溶けると思うわよ」
カルピスを飲みたいが今外に出るのは危険だ。もう少し日が傾いてからでも遅くない。
涼音も外がとてつもなく暑いということを理解したのか、ため息をついてベッドに腰を下ろす。
「なんか……嫌になりますね」
「ええ、そうね。外に出るなら夕方ね」
思い立って外に出ようとしてもあまりの暑さな外に出ることを阻まれてしまう。
別に外に出ようと思えば出ることができるのだが、できるだけ汗はかきたくないし、不要不急の外出は控えるように、と言われているレベルの暑さだ。
それなら、少しは暑さがマシになるであろう夕方まで、家の中で大人しくしているしかない。
「なにして時間を潰しましょうか?」
「いつも通り適当にだらけましょうよ」
「それしかないわね」
二人は夕方まで適当に過ごすのだった。