「
「だーかーらー。別に友達じゃないですって」
昼休み。三年生の教室で
先程の休み時間、涼音が
「友達よ。相談に乗っていたんでしょう?」
「そうですけど、それで友達って飛躍しすぎですよ」
そう言って涼香が差し出したウインナーを食べる。
「そうかしら?」
涼音は卵焼きを一切れ涼香に差し出す。
「……そうですよ。別に、同学年に友達なんていりませんし」
「……美味しいわね、この卵焼き」
「それは良かったです」
「それで? どういう相談に乗っていたの?」
なにがそれで? なのだろうか、一瞬固まった涼音は肩をすくめると答える。
「別に相談っていう相談じゃなかったですよ。これといったことも言えませんでしたし」
「あら、はぐらかすのね」
「人の悩み相談は他の人に言うもんじゃないですよ」
「ふふっ、そうよね」
涼香は満足そうに微笑むと優しく涼音の頭に手を伸ばすが――。
「今はやめてください」
涼音にその手を払われる。
「あら残念」
どこか嬉しそうな涼香。そんな涼香を見ていた涼音が眉根を寄せる。
「なんなんですか」
「別になんでもないわよ。早くお昼ご飯食べてしまいましょう」
こうしていつも通りの日常へと戻るのだった。