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補習にて 7

 普段テスト勉強をしない人間が、テスト勉強をしたらどうなるか?


「今の私はアメリカに行っても通用するかもしれないわ……‼」

「うん、わたしも世界進出できると思う」


 答えは、謎の自信に満ち溢れてしまう。


 あやが出ていったのとほぼ入れ替わりで担当教師が教室へと入ってきた。


 涼香りょうか理子りこは押し黙ってテストが始まるのを待つ。


 不合格ならまた再テストになる的な説明を受け、いざ戦いの時。


 自信に満ち溢れている涼香と理子は―。


(ここは綾瀬あやせ彩ゼミでやったところね)

(この問題、綾瀬ゼミでやったところだ!)


 などと思っていた。余裕である。


 彩の教えた通りの暗記法で単語を暗記した二人にとって、この程度の単語の問題など敵ではなかった。


 しかし、そんな余裕の二人を襲ったのは――。


(長文ですって⁉)

(わーお、英語がいっぱいだー)


 長文読解である。


(焦ってはダメよ。ここは落ち着いて一つ一つ単語の意味を確認するのよ。文法は分からないから、なんとなくのニュアンスで解けばいけると思うわ。後は上から順に落ち着いて問題を解けば……)

(なんだか今日はいけそうな気がする~)


 涼香と理子は持てる知識を余すことなく使い、小テストに挑むのだった。

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