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補習にて 8

 やはり小テスト。定期テストよりも問題数が少ないため、制限時間は三十分だ。


 涼香りょうかが全ての問題を解き終えた時には、テスト終了間際だった。


 見直している時間は無い。


 テスト終了となり、解いた問題用紙を担当教師の下へ持って行く。


 その場で採点してもらい、合否を確認するスタイル。


 手応えバッチリ水原みずはら涼香はワクワクしながら採点の様子を見守る。


「おめでとう。やっぱり水原さんはやればできるね」


 そう言って返却された小テストは、満点ではないがそれなりの点数。もちろん合格だった。


「ありがとうございます」


 その次――。


「惜しいけど三田さんたさんは再テストね」

「嘘だぁぁぁぁぁぁ!」

「単語は覚えられてるから、頑張れば大丈夫だと思うよ」

「アヤえもーん!」


 崩れ落ちた理子りこの肩に手を置き、涼香は一言。


「頑張りなさい」


 滂沱の涙を流す理子であった。

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