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檜山家の玄関にて 2

 そろそろ涼香りょうかが帰ってくる頃だろう。なんとなくそう思った涼音すずねは、リビングから玄関へとやってきた。


 するとタイミング良く、鍵の開く音がして涼香が帰ってきた。


 ふと思ったが、なぜ自分は水原みずはら家の鍵を持っていないのだろう。涼香は檜山ひやま家の鍵を持っているのに。


「帰ったわ!」


 帰ってきた涼香は汗でブラウスが張り付いており、髪の毛も顔に張り付いていた。とにかく暑そうだった。


「お帰りなさい。ごは――お風呂行きましょう」

「一緒に入る?」

「嫌です」


 手を広げる涼香にしかめっ面を返した涼音は、大人しく涼しいリビングへと引っ込むのだった。

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