―――目に映るものがすべてじゃない
耳で聞くものがすべてじゃない
僕は知っている
妖精が集う国があると―――
…白銀の…光…
「いけない、それ以上『力』を使ったら…!」
背後で叫ぶ、声…
「お願いです、無茶しないで下さい!」
まばゆい光が満ちていて、姿は見えない。
「―――!」
叫び声が、遠くなってゆく…
…静寂…
在るのは白銀の光だけ…
『…ダイジョウブ…』
…呟き…
光の中心に居る、姿なき者の…
『…カナラズ…モドッテクルカラ…』
光が遠のいてゆく。
…闇の彼方へ…
…刹那、視界をかすめる白亜の神殿…
それは過去の記憶なのか、たまたま見た夢なのか、よく分からない。
いつの間にか、心の中にあった光景。
声の主が誰なのか、姿は見えない。
けれど、何処かで出会ったような懐かしさを感じる。
一瞬だけ見えた神殿は、どこにある建物なんだろう?
日本でも海外でも見た事の無い風景だけど。
何故か、知っているような、行った事があるような感じがする。