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穴 その2 人間てみにくいね

 みんなでロシアンルーレットごっこをしている。


美雪「ねえねえ、あなたって、いくつなの?」


私「十六歳よ」


美雪「へー、私らって、同い年なんだね!」




 運命の一カ月後。


私「はっ! んんんんんんんんんっ?」


美雪「第百七十一層よ。いい階層じゃなくなったわ。あなたはきっと空腹でおかしくなる。聞こえる? みんなの『悲鳴』が。自分の階層を知って、絶望してる」


私「ふぁってっ! わたしをどうすりゅつもりっ?」


 穴から食事が降りてくる。


美雪「見てみなさい。食事の台を。骨の一本も、誰も残してくれてない。このままだと飢え死に確定。明らかでしょ?」


私「わたしゅを、たべりゅの?」


美雪「そうよ、萌美ちゃんがね」




萌美(?)「ウウウ……オニク……タベタイ」




美雪「黙ってたけど。萌美ちゃんはおなかがすくと、オッサン化していくの。かわいらしさを失っていくわ。肉食系の妖精だからね」


私「いやぁ! もとのかわりゅいこともどちてっ!」


美雪「あの子に私たちが食べられてしまうわ。いけにえが必要なの、えっ?」


ベルシュタイン!「ベル家最終奥義『フランケンシュタイナー』!」


美雪「うぎゃっ!」


ベルシュタイン「よくも気絶させてくれましたわね。萌美ちゃんにゲテモノを食べさせてはだめって言ったはずよ」


私「あにゃたはいったひ?」


ベルシュタイン「私はこのプラットフォームを運営している、ベルグループの総帥の娘ですわ」


 反乱を起こした美雪は拘束され、エッチな格好。



美雪「もう私をぶっころしてっ! はずかすいいいいいいっっっ!」



 一カ月後、催眠ガスが噴射され、私たちはまた別の階層へ。


ベルシュタイン「運がいいですわね。第十四階層。食べ物に困ることはないわ」


私「あなたの目的はいったい?」


ベルシュタイン「これよ。ベルの素~」


私「それは?」


ベルシュタイン「ベルグループが開発した、調味料ですわ」



 台と食べ物が上の穴からやってくる。



ベルシュタイン「これを食事にかけて、と」


私「おいしそう」


ベルシュタイン「だめですわよ。これはみんなで食事を分けるために使うの。下の階層までお食事をお届けするのが目的ですのよ」


私「そっそうなの? あなた、見かけによらずいい子……」


ベルシュタイン「すぐに食べては即死ですわ」


私「えっ?」


ベルシュタイン「下の階の人! その白い粉には即効性の毒が仕込んでありますの! しばらくすると毒はなくなるから、食べるのはやめて!」


下の階の男「うるせぇ! 知るか! うぎゃああああああああああ?」


ベルシュタイン「ちょっと! 何食べてるの! あなたがめちゃくちゃにしたせいで、ベルの素がどこにかかったか、わからなくなったじゃない! 下の下の階の人! 慎重に食べて!」


さらに下の階の男「毒なんてわかるか! ちくしょう! これか? ぎゃああああああああああ!」



ベルシュタイン「あ~もう! 何やってるの!」



 悲鳴が続く。

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