ギン達は魔物に襲われたという村の復興支援、更に魔物の調査の為にその村へと向かっており、村らしき景色を目にし、ギンが一同に呼びかける。
「見えた!あの村だな」
「そうね、馬車を止めてくれる」
「分かった」
ルルーより馬車を止めるよう言われてギンは馬車を止める。その動きを見たヨナ達、ミッツ教団員もだ。
「この村か……」
ギンはぽつりと呟くが、その村は確かに荒らされており魔物にいいようにされてしまったことがギンの頭の中で浮かんでいたのである。
「まずこの村の偉い人と話をしてみないと」
ルルーがそう言うと村から老人とおぼしき男が声をかけてくる。
「おお、あなた様がミッツ教団のお方ですか?ようこそいらして下さいました。わしはこの村の村長ですじゃ」
「
「どうぞこちらです」
村長に案内され、ルルー、ムルカ、教徒は魔物により命を落としたものが眠る墓にいくのであった。だがそこは墓といっても遺体が埋められておりただその箇所が土により盛りあがっているのみの場所であった。
「わしらとしても、手厚く葬ってあげたいのですが、こういう状況なのでな」
「無理もございません」
そう言うとルルー達は墓前の前に膝をつき鎮魂の言葉を唱える。
「我らを加護し神ミッツよ、彼の者達の魂が安らかに眠らんとすることを我らは切に願う。その願いを聞き給へ」
ルルー達が鎮魂の言葉を唱え終えると村長がルルー達を自らの家に招く。
「ありがとうございます。わしの家で詳しい話をするのでどうぞこちらへ」
「承知しました。護衛の者も1人呼んでまいります」
そう言ってルルーはギンを呼びに向かう。
「ギン、あなたにも村長さんの話をきいてもらいたいけどいいかしら?」
「構わないがお前達だけじゃダメなのか?」
「あなたは傭兵だし、私達だけでは気付かないことも気付くかもしれないと思って」
「そういうことなら俺も話を聞こう」
そう言ってギンもルルー達と共に村長の家へと向かい、エイム達に呼びかける。
「みんな、またいつ魔物が来るか分からないから警戒をしてくれ」
ギンの呼びかけに一同が返事を返す。
「はい」
「おうよ」
「承知」
「あいよ」
各々の返事を聞いて、ギンもルルー達と共に村長の家に向かい、家の中に入っていく。
ギンの胸の中にはこれまでに経験したことがないことが待っている。そんな予感が渦巻いていた。