村長の要請を受け、ムルカ、ルルー、ミッツ教徒、そしてギンが村長の家を訪れ魔物襲来時の詳しい話を聞くこととなった。
「どうぞ、みなさん。狭い家ですが」
「いえ、お邪魔いたします」
ルルーがそう言うと一同は村長の家に入りテーブルの椅子に座った。
椅子に座るとムルカが口を開く。
「では村長殿、お話を聞かせ願いますかな」
「はい、あの日はわしらも万一の為にブロッス帝国の兵隊の襲撃に備えておりました」
「我らがブロッス帝国の軍団と交戦していた時ですな」
「そうです、わしら老人、そして女子供は兵に見つからないように近くの魔物が生息していないという森に避難しておりました」
村長の話を聞き、ミッツ教徒が思い出したかのように話す。
「確か犠牲になった方はみな男性でしたね」
「そうです。この村の若者は魔物狩りには慣れておったのですが、助けて下さった兵士の方がおっしゃるには統制のとれた動きを魔物がして対処がしきれなかったとのことのようです」
村長の話を聞きルルーが一同の考えを言う。
「村長さん、我々は背後に何者かがいて、その者が魔物を操っていたと考えております」
「魔物を操っている者ですと?」
「はい、何か魔物が残していったものがあれば我らにお貸しいただければ我らに協力している魔術師殿が魔力探知をしてくれます」
「しかし、魔物が残したものといっても……」
戸惑う村長にルルーがある提案をする。
「村長さんや村人さえよろしければ我々が村の中でそれらしきものを探索しますがいかがでしょうか」
「分かりました。ひとまず村の衆を中央の井戸まで呼ぶのでお待ちください」
そう言って村長は隣の家に行き、その家に住む若い男に指示を出す。
「今から他の者達と手分けして、村の衆を中央の井戸まで集まるように呼びかけてくれんかのう」
「一体どうしたって言うんですか?」
「詳しいことは井戸に皆が揃ってから話す。じゃから早く呼んでくるのじゃ」
「は、はい」
そう言って男は他の家に呼びかけ、リレー方式のように中央の井戸まで集まるように伝言していく。
その様子を見たルルーがギンに話しかける。
「じゃあ私達もエイム達を呼んで、井戸まで行きましょう」
「俺が呼んでくる、ルルー達は先に行ってくれ」
「分かったわ」
そう言ってルルー達は井戸に向かい、ギンはエイム達を呼びに向かう。
「みんな、ちょっと聞いてくれ」
「ギンさん?ルルーさん達はどうしたんですか?」
「村長が村人を井戸に集めて話すことがあるんだ。ルルー達は先に井戸に向かっているからみんなも来てくれ」
「分かりました」
そういってエイム達もギンと共に井戸へと向かうのであった。