ギンはエイム達と共に村長が村人を集めると言った村にある中央の井戸へと向かっていた。その途中でなにやら話をしているようだ。
「ギン殿、村長は一体何の為に村の井戸に村人を集めるのですか?」
「俺達が村の中を魔物が残したものを探索してもらう為にあらかじめ村人に伝えるのが目的なんだろう」
ギンとジエイのやりとりを聞いて、エイムが言葉を発する。
「何でもいいから魔物のものさえ見つかれば私が魔力感知で探すことができます」
「そうだな、その場所が分かれば俺達が魔物を退治すればいい」
「そうすれば村の人達は安心して暮らせますね」
ギン達が話している間に井戸までたどり着きルルー達と合流する。
「あ、みんな来たのね。今から村長さんが村人に私達のことを伝えて下さるそうよ」
ルルーの言うように村長が井戸の前に集まった村人に対して呼びかけていた。
「今この村は皆も知っての通り魔物の襲撃にあい、犠牲になった者も多くでてあらゆる被害を被った。じゃが、本日ミッツ教団の方がおいで下さり村の復興支援と魔物の調査をして下さるそうじゃ」
村長の言葉に村人はざわつき、さらに村長は言葉を続ける。
「そこでみなにわしから頼みがある。ミッツ教団の方は魔物の残したものさえあれば、魔力感知ができるとおっしゃっていた。じゃから村の中の捜索に協力してやってくれ。無論、心当たりのある者は申し出てそれをミッツ教団の方に渡してくれ」
村長がルルー達の事を伝え終えると村長はルルー達に声をかけた。
「ではみなさん、よろしくお願いします」
「よろしいんですか?」
「はい、あとはみなさんが声をかけてくだされば協力してくれるでしょう。何か困ったことがあればわしの家に来てください」
そう言って村長は自分の家へと戻っていき、ルルーは一同に呼びかけ捜索方法を話し合う。
「とりあえず許可は下りたし、それっぽいものを探しましょう」
「具体的にどういったものを探せばいいんだ?」
ブライアンが抱いた疑問にエイムが答える。
「魔法でもし操作していたとしたら精神に作用させる魔法の方が可能性は高いですね。でも魔法自体は対象者にかけるので魔力の根源自体は肉体に残るはずです」
「じゃあ魔物の肉体の一部を探せばいいのか?」
「そうですね、それが魔物のものでさえあれば魔力感知ができます」
エイムの言葉を聞き、ルルーが組み分けを提案した。
「とりあえず私達が固まって探すよりは手分けして探したほうが効率がいいわ。何かをみつけたらまずは村長さんの家に行きましょう」
「そうだな、してルルー、どう組みを分ける?」
「はい、私とムルカ様、ギンとエイム、ブライアンとジエイ、ヨナは傭兵団の誰か1人と一緒にお願い」
ミッツ教徒が自身が呼ばれなかったのでルルーに尋ねる。
「ルルー様、私はいかがしましょうか?」
「あなたは残りの傭兵団と一緒に村人に支援物資を配布して」
「承知しました」
こうして一同は村中を捜索することとなった。