瞳を閉じ、ブツブツと小さく詠唱。全神経を手とイメージに集中させる。
そして、魔法発動。大きな声で呪文を叫ぶ。
周囲が青く発光し、空中に細かい粒子が集結する。
粒子の正体は氷だ。その塊は徐々に大きくなり、やがて人間と同じ大きさほどの巨大な塊となる。
もう一度詠唱すると、その塊が一気に躍動し、地面へと突き刺さっていった。
数ある魔法の一つ、ブリザードの魔法である。
そして突き刺さった氷の塊へと走り、少しばかり氷を削り取る。
削った氷を使った氷水で、茹でたての素麺(水道水で揉み洗い済み)を一気にシメる。
氷水を使った素麺をシメる作業は面倒くさいと、割愛する者も多いと聞くが、それはあまい。
この一手間が味を左右する。非常に重要な工程だ。
【ブリザード】