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青龍7

小さい頃は、ただただ煙いだけだった焚き火が、この頃になるとなぜか好きになった。


特にキャンプ時の焚き火。これが良い。

夜空に瞬く星の下、このときのためにあつらえた一杯。

ちびりちびりとやりながら焚き火の炎をただただ見つめる。


仲間がいると、その按配はさらに好調。

焚き火の輪を囲み、語る。その人のことが何倍も知られる気がするのも、きっと焚き火の為せる業。

結論など出なくてよい、ただ焚き火とともに自分を見つめるこの時間。

これよ、これ。大事にしていきたいものだ。


そう、考えてみれば世の中大変なことばかりなのだ。


夏休みの宿題まだ終わっていない。

自転車パンクした。

ゲーム欲しい。

先に控える中学受験について。


でも今は、ただ、この焚き火を見つめていたい。

答えを求めてなどいない。だが、この時間は、きっと大切なものになるだろうという強い確信がある。

間違っていないはずだ。


コーラが尽きた。お替わりしてこよう。


【焚き火】

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