小さい頃は、ただただ煙いだけだった焚き火が、この頃になるとなぜか好きになった。
特にキャンプ時の焚き火。これが良い。
夜空に瞬く星の下、このときのためにあつらえた一杯。
ちびりちびりとやりながら焚き火の炎をただただ見つめる。
仲間がいると、その按配はさらに好調。
焚き火の輪を囲み、語る。その人のことが何倍も知られる気がするのも、きっと焚き火の為せる業。
結論など出なくてよい、ただ焚き火とともに自分を見つめるこの時間。
これよ、これ。大事にしていきたいものだ。
そう、考えてみれば世の中大変なことばかりなのだ。
夏休みの宿題まだ終わっていない。
自転車パンクした。
ゲーム欲しい。
先に控える中学受験について。
でも今は、ただ、この焚き火を見つめていたい。
答えを求めてなどいない。だが、この時間は、きっと大切なものになるだろうという強い確信がある。
間違っていないはずだ。
コーラが尽きた。お替わりしてこよう。
【焚き火】