駅に向かう途中、虫の知らせとでもいうのか、何なのか、妙に急がねばならない気がした。
私は小走りになる。できるだけ急ぐ。
なぜだろう。このまま行くと、どうも制限時間をオーバーしてしまう気がするのだ。
分かれ道に来た。
両方とも駅へ通じるが、一方は近道。私は躊躇なく近道を選ぶ。
走った先に巨大な穴を発見。
しかし、困ったことに、迂回する道が見当たらない。
飛び越えるしかない。
私は助走をつけて、穴へダッシュ。
飛び越える。
届かない。
穴へ落ちる私。
流れる残念なBGM。そして、残機がひとつ減ったお知らせが表示され、目の前が暗転した。
…。
いや、待て…。
穴の縁にぶら下がりながら、私は主張する。
私の人生を勝手に操作し、勝手に終わらせやがる不届き者は誰だ…!
私は力を振り絞り、穴から這い上がる。
ここから先は、誰にも、何が起こるか分からない世界だ。
悪いのですが、自分の人生の判定くらい、自分で決めますわ。
【メタ認知】