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青龍13

台。ロープ。そしてビニールシート――。


準備は整った。整ってしまった。

思い悩むことや、ためらいこそあれ、結局注文して揃えるとなると一瞬だ。


自分の人生とは一体何だったのか、ふとよぎった。これまで何回も何回も問うてきた内容だと思う。

ただ、もう考えるのはやめにした。私はその思考の蛇口を閉めた。この種の疑問や悩みの渦は、結局自分を縛る鎖でしかなく、何一つ私に救いをもたらすことはなかった。


私はビニールシートを広げた。ちょっと大きかった。


一旦、部屋の中でビニールシートを全て広げた。


三角形に折る。

さらに横半分に折る。

正方形になるように開いて折りたたむ。


折りすじを付けて広げてつぶすように折る。

中心部にそろえて細く折りたたみ、上部に折り返して羽を広げる。


鶴。


台に鶴を乗せる。

ロープは、この鶴を亀甲縛りするために使用予定。


【鶴】

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