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青龍18

審判員兼進行係の中盆、サイを振るツボ振り、そしてそれを取り囲む大勢の客。

緊迫感のみの空間。全員、頭がヒリついていた。


勝負の場が整った。中盆がツボ振りに指示を出す。


「ハイ、ツボ!」

中盆の指示に合わせ、ツボ振りはツボにサイを入れて伏せる。


「ハッタ、ハッタ!」

それを合図に、客たちが一斉に丁半を賭け出す。


丁方、半方、同じくらいの賭け額となった頃、中盆が締め切る。


「コマが揃いました、皆の衆、よござんすね…よござんすね…」


中盆が声を張る。「勝負!!」


ツボ振りがツボを開く。中を確認する中盆。


ツボから出てくる一枚のトランプカード。


「スペードの7!」


おおー、という客たちの驚きの声。

だって、最初にツボが空なの見せてもらったし、サイを入れたはずなのに、出てきたのはトランプなんだもん。


しかもサイが出てきていない!消えたんだ!すんげぇ!


純粋な拍手が賭場に響き渡る。温かな空間。


【ツボ振り】

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