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青龍63

下手の横好きながら武道を嗜んでおりますが、その修練というのは、とかく「型」を大切にいたします。


この前習った技の型は、腕を目一杯横へ広げ、手首から先をだらんと垂らす技でした。

どうして手を垂らすのだろう?と疑問に思っておりましたが、師匠曰く、この技は、飛んでくる「矢」を、急所の「脇」から守るための型なのだそうです。


非常に大切な型であることは理解できます。

しかし、今は、二千年代令和の世。いくらなんでも矢から守るための型なんてねぇ、といささか古さは否めません。

まあ、古き時代の文化を知る意味合いで、この型を何度も繰り返していたものでした。


そして明くる日、私はまさかの矢の襲撃を受けることになります。


私の住んでいる地域は少々治安の悪いところでして、ガラの悪い学生たちがしょっちゅう抗争を繰り広げております。

そんな折、公園で不良グループがいつもの喧嘩になったと思われますが、どうやら用心棒として弓隊を雇ったらしいのです。結果、その流れ矢が私に向かって飛んできたのでございます。


しかし、私も修練している身。考えるより先に身体が動いたものでした。

無意識レベルで型の動作をしたことで、なんと、矢から急所の脇を守ることができたのでございます。


やっぱりすごいぞ護身術。やってて良かった護身術。

ちなみに、流れ矢を放った馬鹿共らへは、火縄銃をぶっ放しておきました。

今後も、自分の身は自分で守っていきたいものです。


【護身術】

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