「それでは、本日は健康診断を行ないます。今年も
早朝から叩き起され、眠い目をこすりながら麒麟宮の外に出れば、何百人…いや、何万人との妃達が気だるそうに整列をしていた。一番前の列は、上流階級の妃───四方と中央を守護する神獣の名が入った後宮に住む妃達が並んでいた。
あたしもその列に……
「ねぇねぇ、
「何よ…?───てか、その名で呼ばないでよね。」
「なんか…周りからの視線が怖いよ…」
「そりゃあねぇ……、あんたみたいな平凡&
「そ、そんなぁ~涙」
「それくらい…陛下に対する気持ちは、皆真剣って事なの。でも…───あんたには……そんなのわかりっこないわよね…。」
(
艶のある長くて黒い髪─────蒼い硝子玉の様な瞳───
眉目秀麗で、強くて優しくて儚げで…
(うん──隙がない…超絶ハイパークラスのイケメンだわ…)
「先生──今年もよろしくお願いいたしますねっ」
「……?」
それは本当に一瞬だった
青い龍は、深みのある赤色をした瞳で誰かを捜している様子だった。
(え……、これって……)
確か、夢にも出てきた……五匹の龍の内の……、でも…他の皆は、龍が見えてない?
「……!」
「
「!……あんたにも……
「
「───
「噂はかねがね伺っておりますわ。なんでも、動物をも診れるとか?」
「左様でございます…。───
「…──
その姿に、周りの妃達は「はぅ……」と言わんばかりに頬を紅潮させている。
「ねぇ…
「───…
「へ?、いたって普通に元気だけど……」
「……見なさい…、周りの妃達は
「媚薬?」
すると、
「貴女が……、
「あ、貴方!!、みんなに何をしたの!?」
「…御安心下さい、
「本物?」
「
「「「「キーーーーーッ!!キキッ!!」」」」
それを見た
「
「…フフ、
「貴方……もしかして……さっきの青い龍?」
「驚いた……、御明答です。…困りましたね……私の秘密を知られてしまった以上……──生きて返すわけにはいきません……。」
大勢の蒼猿の内、二匹が
「これは
刀を十字に構えた
「ま……まさかとは思うけど……それであたしの事斬ったり……」
「しますよ───」
「嘘でしょぉぉおおお!?」