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第31話 ある冒険者の話 5

ダンジョンは異世界にとっても不思議な存在である。

ダンジョン自体が魔物とか、別次元に繋がっているとか・・・。

誠しなやかに冒険者の間では、語られている。


これは、ある冒険者の不思議な体験である。


彼らはA級ライセンスを持ち、数々のダンジョンを踏破した経験を持つベテランで有る。


今回も、ある小さなダンジョンを踏破した時、最下層の部屋の片隅に、小さな鍵穴が有る事を見つけた。

もしや、秘密の小部屋かと期待が仲間達の間に高まる。しかし、鍵穴に入るカギが無い。


扉をハンマーで叩き付けるが壊れない。

魔法使いか、色々な魔法をぶつけるが駄目だ。

盗賊が、カギ開けキッドを使うが、開く気配すら無い。

その後の数日間は、あの手この手を使うが無理であった。


名残惜しが手持ちの食糧が尽き欠け、リーダーの撤退宣言で町に帰る事となった。

帰り間際に剣士が、ふとした行動にでた。


ふと、鍵穴の汚れを布で拭いてみた。

どうも汚れがとても気になっていたらしく、丁寧にゴシゴシと・・・。


突如に鍵穴から白い煙?が、そして部屋一杯の魔人が現れた。

「ご主人様。私は鍵穴の魔人。貴方の望みを3つ叶えましょう。何を望みますか?」


突然の登場に驚き、尻餅姿の剣士。臨戦体制の仲間たち・・・。

暫くの後、危険が無い事から冷静に話し合いが始まった。真面目な面々と主張を繰り返す剣士。


・・・・・時間が過ぎて、纏まった模様。

仲間たちのレベルアップと装備の充実の2つの望みは、直ぐに叶えられた。


最後に剣士に与えられた望みは・・・。


望みを叶えた魔人は、鍵穴と共に消えた。


彼らは、呆れた表情でギルトに戻り、マスターに一部始終を話負えた。


望みを叶えた彼らが、更に活躍したらしいが、記録が乏しい為、確認は出来なかった。ただ、剣士は満足していたらしい。


冒険者の間で、羨ましがられたが、少し微妙に語り伝えられた話題のひとつで有る。

剣士は一体何をお願いしたのでしょう?





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