ダンジョンは異世界にとっても不思議な存在である。
ダンジョン自体が魔物とか、別次元に繋がっているとか・・・。
誠しなやかに冒険者の間では、語られている。
これは、ある冒険者の不思議な体験である。
彼らはA級ライセンスを持ち、数々のダンジョンを踏破した経験を持つベテランで有る。
今回も、ある小さなダンジョンを踏破した時、最下層の部屋の片隅に、小さな鍵穴が有る事を見つけた。
もしや、秘密の小部屋かと期待が仲間達の間に高まる。しかし、鍵穴に入るカギが無い。
扉をハンマーで叩き付けるが壊れない。
魔法使いか、色々な魔法をぶつけるが駄目だ。
盗賊が、カギ開けキッドを使うが、開く気配すら無い。
その後の数日間は、あの手この手を使うが無理であった。
名残惜しが手持ちの食糧が尽き欠け、リーダーの撤退宣言で町に帰る事となった。
帰り間際に剣士が、ふとした行動に出た。
ー ここから内容が変わります。ー
押してダメなら引いて見ると、意外にも扉が開くでは無いか。
一行は、恐る恐る中に入ると宝箱がひとつ置かれている。
宝箱に飛び付く仲間達。全員が部屋に入ると同時に閉まる扉。
「しまった。ワナか!」悔しいがるリーダーと扉を開けようとする仲間。しかし扉はびくともしない。
頭を抱えるリーダーを尻目に、宝箱を探る盗賊。
宝箱も開く気配すら無い。しかし妙な事に気付く。
宝箱の上部に穴を見つける。何かを入れれば良いのでは無いかと推測する。
最初に辺りの石ころを。変化無し。
意を決して、アイテムを。扉が少し振動するが、変化無し。
お金を入れる。扉が少し上がる。
「これだ!」確信を持つ盗賊。
皆と協議の末、お金を出しあって穴に入れると、入れた分だけ開く扉。
暫くすると、扉が開き彼らが出てきた。皆の顔色は冴えない。
「ちくしょう!持っていた金が全て無くなった。」
絶望の彼らの後で
「毎度あり!」と爽やかな声が響いた。
冒険者の間で、大笑いで伝えられた話題のひとつで有る。
この後、少し内容を替えて投稿します。