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第37話 何時もの仕事

今日も、男は仕事に出掛けた。


何時もの様に電車に乗り、駅近の事務所が彼の仕事場となる。


事務所のドアを開け、まずはタイムカードを押す。仕事の基本である。時間守る事は必要な事である。


次ににこやかな声と表情で「おはようございます。」と事務員に声を掛けて、ロッカールームに向かい、仕事着に着替える。


まずは、仕事着や必要な備品に緩みやほつれ等の異常確認を確実に行う。そして着替えが終了すると、彼はロッカールーム奥の扉に向かい歩みを進めた。


扉を開けると、小ぢんまりした部屋はつながっているらしい。

部屋の中に佇む女性が「おはようございます。何時も時間通りですね。これが本日の業務となります。」と紙を男に手渡した。


男は、1枚の依頼書を受け取り、

「ありがとうございます。この量なら定時に帰れそうですね。直ぐに出発します。」と眩しげに部屋から出て行った。


外は多くの人が行き交い、広場は露店で賑わっている。

人に混じって、武装した男たちが談笑しながら歩いていく。頭に耳を持つ、所謂獣人親子が買い物を楽しんでいる。


そう、ここは異世界。魔法と魔物の住む世界。

ここが、男の仕事場で有る。

かっては、召喚と言う名の誘拐が多発した事により、最近になり神様同士の話し合いで、地球人に異世界で仕事をして貰う事で決着が付いた。


地球人は、神様から借りたアクセサリーで、高い能力値とスキルを借り受ける。

特別社員は、勇者として長期間の出張を行い、短期間バイトで一般人がギルトからの依頼を粉していた。


男も9時~夕方6時まで働いている。

依頼が済み、ギルドに報告して本日の仕事は終了となる。

魔物の解体は、ギルトにお願いして有り、次回に報酬を受け取る事となる。


「御苦労さまでした。」

部屋の女性に挨拶をして、扉を開けてロッカールームに帰る。着替えを済ませて事務所で報告書を記入すると、大概時間通りとなる。

タイムカードを押して、「御苦労さまでした。」と挨拶をして帰宅する。


「アァー疲れた。」


こんな生活どうですか?





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