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第38話 色々な涙が・・・

一粒の涙が頬を流れ落ちた。


長い戦いが、今終わりを告げた。

幾十かの戦いが有った。

幾百の村々が、焼かれた。

幾千の人々が倒れ、悲しき涙が国を濡らした。


頑強な魔王軍の攻勢に、王国軍は幾度と無く破れ、多くの士兵の命が失われた。

毎回の様に召喚しては、命を掛けた強者達も、再び帰らぬ人となった。

王国は疲弊し、民の生活も困窮している。


しかし、最後の召喚が、奇跡を呼んだ。

数人の若者が、魔王軍を蹴散らす度に歓声が上がり、やがて魔城に籠る魔王を倒す事で、悲しみと恐怖の時間は終わった。


王は喜びで涙を濡らす。


財務を預かる私は、これから起こる復興と勇者への恩賞を思うと涙が頬を濡らす。





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